第63回ちばてつや賞-ヤング部門-発表|講談社コミックプラス
 
     
   今回は大賞出ず!しかし、候補作は実力伯仲で最終選考は例年以上に白熱!そしてなんと、本多創選手の『サンライズ』と帯屋ミドリ選手の『白色綺譚』が準大賞W受賞という前代未聞の事態に!共に22歳、若き俊英の誕生だ!  

 
ちばてつや先生
 

ちばてつや先生総評

今回の候補作は実力者揃いで、賞を選ぶのがとても大変でした。大賞が出なかったのは残念だけど、力作が多くて本当に楽しませてもらいました。ただ、今回の候補作は傾向として、絵で見せるのではなく読ませようとする作品が多かった気がします。若手の皆さんには、常に分かりやすさ・読みやすさを意識して描いて欲しいです。


準大賞

『サンライズ』本多創 (22歳・京都府)
準大賞
2012年11月12日(月)発売ヤングマガジン50号掲載!

ストーリー

洋画展で個性的な絵に魅せられた金井は、作者である有希に会いに行くことに。不思議な性格の有希と交流を重ねるごとに、二人の距離は少しずつ近づいていく。しかし、ある日突然、有希の口から衝撃の事実が告げられる。
 

ちば先生の選評

人物の表情が豊かだし、デッサン、背景のパースなどもしっかり描けていて、安心して絵を楽しめる。実力のある作家だ。ラストの見開きの景色は胸に迫るものがあるし、有希が金井に心を許す場面や影の演出も良かったぞ。
受賞作品を読む!
 

準大賞

『白色綺譚』帯屋ミドリ(22歳・東京都)
準大賞
2012年11月12日(月)発売ヤングマガジン50号掲載!

ストーリー

卓球の天才・岡部と数学の天才・村上は、大学推薦が決まったことで授業をまったく聞かず、いつも熱血教師・小島先生にチョークを投げられていた。先生に仕返しをすることを決めた2人は、ある計画を実行することに。
 

ちば先生の選評

今回の候補作の中では一番分かりやすくて読みやすかった。二人の作戦は無理やり作り上げた感じではあるけれど、チョークが飛び交う音と絵の迫力と難しい方程式で妙に納得できるし、読後感も心地良かった作品だったぞ。

受賞作品を読む!
 

優秀新人賞

『青空ピアニキスト』矢田恵梨子(23歳・三重県)
優秀新人賞

ストーリー

「ピアノの才能がない」と通告されて落ち込んでいたお坊ちゃま・藤堂奏は、ピアニカを弾くホームレス・響一郎と出会い、演奏に魅せられる。ピアニカを教えてもらうことにした奏は、少しずつ響一郎の存在に惹かれていく。
 

ちば先生の選評

音楽をテーマに描くのはとても難しいし、高度な演出が求められるけど、人間のドラマ・成長がしっかりと表現できているね。主人公・奏が、幼いときに習ったピアニカで音楽の本質に目覚めていく様子はとても面白かったぞ。
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優秀新人賞

『カブトムシ』中田アモ(29歳・東京都)
優秀新人賞

ストーリー

中学一年の夏休み。百田と高井は、プールで遊んだり、気になるクラスメート・藤白の話題で盛り上がったりと、楽しい夏休みを送る。ある日、公園でカブトムシを探していた百田は、先輩と待ち合わせする藤白を目撃する。
 

ちば先生の選評

思春期の異性への憧れや戸惑いを、情感あふれるタッチで描けているね。大好きなクラスメートの藤白が先輩とまぐわう現実を見てしまった主人公が、それまで大事にしていたカブトムシを逃がしてやる演出は心憎いぞ。
受賞作品を読む!
 

優秀新人賞

『北さんのカレーライス』二戸花(23歳・神奈川県)
優秀新人賞

ストーリー

日本を旅立つことにした北は、日本で最後の夕飯を記念してカレーパーティを開こうと思い立ち、友人の東・南・西に招待メールを送る。一方、北からのメールを受け取った3人は、北に対して様々な思いを抱いていて・・・・。
 

ちば先生の選評

1つの話を軸に、4人のエピソードをオムニバス形式で描くストーリー展開はなかなか奇抜で面白く読めたぞ。キャラクターそれぞれの表情が温かいし、演出も良かったよ。ただ、ちょっと話を詰め込みすぎたかもしれないね。
受賞作品を読む!

優秀新人賞

『High Hop!』中村隼也(22歳・京都府)
優秀新人賞

ストーリー

陸上部の高田は、自由の象徴で自分と正反対の存在である前園ハルカのことが気になっていた。ある日、練習中に教室に戻った高田は、一人教室に残っていたハルカが密かに行っていたある光景を目撃してしまう・・・・。
 

ちば先生の選評

キャラクター・構図などをよりエンタメに徹すれば、即戦力の作家になってくれそうな楽しみな存在だね。ただ、現場を目撃した主人公が顧問の先生と顔を合わせないなど、演出が曖昧な箇所もあったのが惜しかったかな。
受賞作品を読む!
 

準優秀新人賞

『あなたに贈る孫の手』島津拓馬(20歳・福岡県)
準優秀新人賞

ストーリー

妻のマユが亡くなり元気をなくしていた誠二郎のもとに、孫の純が来た。「夏休みの宿題」と言い、誠二郎をマユとの思い出の場所に連れて行く純。純には、ある「目的」があった・・・・。
 

ちば先生の選評

とてもいい話だったよ。コマ運び、大ゴマの使い方、キャラクターの描き方など、光るものをたくさん持ってるね。ただ、回想シーンと説明が多くて、読みづらくもなってたぞ。
受賞作品を読む!
 

準優秀新人賞

『エル・カミーノ』瀬下猛(28歳・東京都)
準優秀新人賞

ストーリー

岩の中に閉じ込められていた孫悟空は、クロウディアに助けられて共にサンティアゴを目指すことに。人間になりたくてお供をしていた悟空だったが、旅の途中に異変が・・・・!?
 

ちば先生の選評

バックパッカーの楽しさが伝わってくる演出はうまい。クロウディアに恋してしまった悟空の心境とちっぽけなサルに戻ってゆく淋しさが伝わってきて、ラストはジーンときたよ。
受賞作品を読む!
 

佳作
『東京都 目黒区 ヤギの家』米田まどか(24歳・神奈川県)
期待賞

ストーリー

まりこは、亡くなった祖母からペットのヤギを譲り受ける。その日から、ヤギのまゆげとまりこの賑やかで楽しい日常が幕を開けた!

選評

無理のない展開、空気感の作り方にはセンスを感じる。ヤギはとても可愛らしいし、登場してくる人物たちそれぞれにも好感が持てる。
 
佳作
『TRASHMAN』野渕真吾(25歳・埼玉県)
期待賞

ストーリー

かつてギャングのボスだったカッツンは、今はゴミの回収業者。「人のために何かをしたい!」と思いながら、今日も地味な仕事に励む。

選評

読後感がとても良く、スカッとする。メジャー感のある絵で、心に残るセリフも多い。しっかりと主人公の成長が描かれている。
 
     
佳作
『アンブレラ』國分翔一(23歳・千葉県)
期待賞

ストーリー

高校3年生の田村翔は、ひょんなことから憧れのクラスメート・藤田凜と仲良くなる。しかし、凜には誰にも言えない秘密が・・・・。

選評

存在感のある絵柄が特徴的。難しいテーマだが、描き方が丁寧で読みやすい。好きな子を全力で守ろうとする主人公が気持ちいい。
 
佳作
『マイウェイ』常喜寝太郎(21歳・京都府)
期待賞

ストーリー

自分に自信がなく、大好きな田村さんも取られて落ち込む倫太郎は、夜の街で順子に出会い、「ヘタレ改良計画」をスタートさせる。

選評

作品全体から若さと熱量がヒシヒシと伝わってきた。順子のエキセントリックさは突き抜けていて、読んでいてとても爽快だった。

期待賞
『片桐さんのおしり』和田裕香(32歳・東京都)
期待賞

ストーリー

今の若者像を赤裸々に、コミカルに描写している。女の子の思い込みも可愛く思えた。表情が丁寧。
 
期待賞
『超科学的恋愛解法[序論]~内気んBOYが女の子と話すには~』植木秀治(29歳・東京都)
期待賞

ストーリー

読者を楽しませる工夫が詰まっていて、読後感のいい作品。発明品もネーミングや形状が面白い。
 
     
期待賞
『神が宿る日』田中浩(39歳・埼玉県)
期待賞

ストーリー

綱渡りの緊張感がビシビシ伝わってきて、物語に引き込んでいく力を感じた。場面の見せ方が上手い。