第57回ちばてつや賞-ヤング部門-発表|講談社コミックプラス
 
     
  ヤングマガジン連載への登竜門ともいえるちばてつや賞! 多数の応募の中から今回大賞に輝いたのは『ヒトイロ』を描いた弱冠20歳の新鋭・笠原滋氏!!  

 
ちばてつや先生
 

ちばてつや先生総評

今回のちばてつや賞は全体的にレベルの高い作品が多かった。ヤングマガジン読者が喜びそうなイキのよい作品や、地味ではあるけれどしんみりくる作品など、いろんなジャンルの作品を見ることができた。また、人生や人間について考えさせられる作品も多かったので、このようなテーマを扱った作家が今後出てきてくれると嬉しい。


大賞

『ヒトイロ』笠原滋
大賞
ヤングマガジン第28号に掲載!

ストーリー

高校一年生の鈴木哲には他の人と違うところがあった。まだ幼き頃の哲の身に起きたある事件がきっかけで、人の顔が"イロ"で見えてしまうのだ。そのため、人ごみにいると寄り集まった"イロ"にのみこまれそうになることもあった。そんなある日、哲は校内一の美少女・佐々木まどかから声をかけられる。どうやら佐々木は哲のことが気になっているようだが、はたして!?

 

選評

人を色でしか見ることができない主人公というアイデアが面白かった。コマ運び、キャラクター、セリフのどれをとっても演出に無駄がなく、ドラマとしての作り方がうまい。また、読者の目線で漫画を作っているので読みやい。事故の前と後で哲の瞳の描き方を変えるともっとよくなったと思う。そのほうが事故後の母親の見え方が効果的になるからだ。
 
 

優秀新人賞

『団子虫ドリーム』さいむらたくじ
優秀新人賞

ストーリー

大学で女の子と遊べるサークルに入ろうとしていた松田は、間違って応援団に入らされた。チアと毎日コンパが出来ると聞いていたのに、ふたを開けてみれば女っ気はかけらもなし。加えて、上級生による鬼のようなシゴキが我慢できず、何度も部を辞めたがるが‥‥。
 

選評

ヤング誌にぴったりの作品。コマ運び、演出ともに迫力があって一気にたたみ込んで読ませる力量があるし、面白く見せようとするエンタテインメントの部分を持っている。ただ、あれだけ部を辞めたがっていた主人公が応援団の魅力に目覚めるところは説得力がない。

 
 

優秀新人賞

『チョコの星』GREEN BOY
優秀新人賞

ストーリー

やりたいことが見つからず、高校卒業後の進路に悩んでいたチョコは、世界一のカメラマンを目指す笹尾のお願いでモデルになった。撮影中、チョコはカメラに没頭できる笹尾をうらやましく思う。そんなチョコを見かねた笹尾が一緒に将来の夢を探してくれることに。
 

選評

ほのぼのと明るいストーリー。演出がうまく、キャラクターの個性をしっかり描き分ける実力がある。話は少し緩慢だが読後感もよい。チョコが将来の目標を決めなきゃと悩んでいたが、そんなに早くやりたいことを決めないといけないのかなと、少し違和感を感じた。
 
 

準優秀新人賞

『今のうちに感謝しときたいこと』大木亮平
準優秀新人賞

ストーリー

環奈は亡くなった母の代わりに棋士の父を支えてきた。だが、父からはいつも母と比較され、ダメ出しをされる日々。我慢できなくなって詰め寄ったその時、父が大事にしている駒が燃えてしまい‥‥
 

選評

父娘の情愛を温かく描けていて良い話。絵も好みだが、ちょっと地味。また、演出が雑なために損をしている。大切な駒のためとはいえ、父を置いて家を出てしまう環奈の気持ちが理解できず。
 

準優秀新人賞

『春竜』今村KSK
準優秀新人賞

ストーリー

いつもつるんで喧嘩に明け暮れていた高校生の春雄と竜也。教師達が見てみぬふりをする中、女教師の木村だけが二人の面倒をみていた。真剣になってくれる木村に春雄は気づけば惹かれていたが‥‥

 

選評

ついつい暴力に走ってしまう主人公達の荒んだ心境や、自分達のことを体を張ってまで心配してくれる先生への思慕がよく描けている。だが、画力には向上の余地があり、演出もややぎこちない。
 
 

準優秀新人賞

『パイナップル爆弾』金城弘和
準優秀新人賞

ストーリー

パイナップル頭で喧嘩っぱやい堀田耕作は、暴力が嫌いな酒井ミナに恋をした。少しでも近づこうと堀田はミナの新体操部を覗ける園芸部に入る。そこに、影から酒井を盗撮する二人組みが現れて‥‥
 

選評

絵がうまく表現力もあり、迫力のある作品。キャラに魅力があるのも強みだ。だが、話の運びや演出に少々無理がある。テーマをもっとハッキリさせて話を作れば、画力がますます活きるだろう。
 
 

佳作
『ストーンフリー成瀬宗志
佳作

選評

主人公のダメさ加減が良く描けていて面白い。だが、表情や動きが少ないのは今後の大きな課題だ。
 
佳作
『LIVE』奥田容弘
佳作

選評

テーマは面白い。だが、表情とか心理描写を絵で見せることができれば、もっと感動させられるはず。
 

期待賞
『告白GP』長谷川一之
佳作

選評

主人公に見事に感情移入できた。設定は面白く、絵も丁寧だが、肝心の格闘シーンが今ひとつ。
 
期待賞
『シークレットマン』石井健太郎
佳作

選評

短いページ数で読者を楽しませようとする姿勢を評価。だが、状況説明が多すぎて物足りない。

   
期待賞
『パワーマッシュルーム』民谷剛
佳作

選評

絵柄に魅力を感じる。だが、なぜ主人公は死にたいと思ったのかが説明不足で、共感できない。