第57回ちばてつや賞-ヤング部門-発表|講談社コミックプラス
 
     
  強烈な個性を感じさせる作品がそろった今回のちばてつや賞! 数ある作品の中から一歩抜け出して大賞に輝いたのは、中村あきひろ氏の『ママフレ』!!  

 
ちばてつや先生
 

ちばてつや先生総評

今回のちばてつや賞は、いろいろなジャンルの作品が揃い、バラエティに富んだ内容でした。徹底したエンタテインメント作品や、リアルなドキュメント、独特の雰囲気でジーンとさせるような作品など、作者がそれぞれのジャンルで、描きたいものをきちんと描いているのが伝わってきて、非常に充実感のある選考会になりました。


大賞

『ママフレ』中村あきひろ
大賞
別冊ヤングマガジン第25号に掲載!

ストーリー

康平の相棒ナオキは、ひとたびキレると誰も止められない超危険人物。そんなナオキが、かつて最強と噂された伝説の男・黒コブラに勝負を挑むと言い残し、姿を消してから一ヶ月‥‥。久々に康平の前に現れたナオキは、なぜか、心も体も女になっていたのだった!!

 

選評

迫力満点の画力は、今回の作品の中で一番プロに近いレベルだった。導入部から、この弾ける展開にはすっかり圧倒され、翻弄されてしまった。迫力のあるシリアスな展開の中で、オヤジだけギャグ調の絵なのも、エンタテインメントに徹した話作りなため違和感はなく、とことん面白く描こうとする作者の姿勢がしっかり見えて頼もしい。
 
 

優秀新人賞

『葉隠葉蔵』井上智徳
優秀新人賞

ストーリー

記憶を失った男・葉蔵は、自らの個人情報を取り戻すため、謎の組織の指令を受けて社会の悪を斬る介錯人となった! 政財界を裏で牛耳る巨大財閥・無双グループ潰しの指令を受けた葉蔵は、敵の本拠へと侵入する!!
 

選評

葉蔵はなぜ記憶をなくしたのか? あの着ぐるみの正体はいったい何者なのか? いろいろ疑問が残る話ではあるが、腐りきった日本の政府や財界のワルどもを切り捨て、貧しい老人たちを助けてゆく展開は、現代の世相を風刺して小気味よかった。

 
 

優秀新人賞

『Broken Piano』遠藤美智
優秀新人賞

ストーリー

天才的なピアノの技を持つ高校生のキロと友人のモンジは、放課後の音楽室で一人ピアノを弾いている少女ツヤカと出会う。ツヤカのことが気になる2人は、キロの家にあるピアノを弾きにくるよう誘ってみるのだが‥‥。
 

選評

ピアノが好きな少女ツヤカをめぐる、二人の少年の性格がよく描けているし、ツヤカの家庭やキロの家庭をさりげなく描く演出もうまい。繊細な女性らしい表現に光るものを感じるし、独自の世界を創れる作者だ。波瀾を予感させるラストも余韻がある。
 
 

準優秀新人賞

『震夜』金城弘和
準優秀新人賞

ストーリー

舞台は近未来。いつもと変わらない平和な学校に、突然降り出した巨大な雹、直後に起こった大地震‥‥!! 予期せぬ災害に巻き込まれた教師と生徒たちの、息詰まる脱出劇が始まる‥‥!!
 

選評

崩れた校舎や、閉じ込められた主人公たちの描写は、リアルで迫力に満ち、渾身の大力作である。ただ、キャラクターの言動や演出にやや不自然なところがあり、この作品で作者は何を言いたかったのかというテーマがぼけてしまっているのは残念。
 

準優秀新人賞

『プチトマト事件』GREEN BOY
準優秀新人賞

ストーリー

憧れのクラスメイト・岩崎さんに告白したい清太は、彼女が大好きなプチトマトを一生懸命育て贈る計画を立てていた。だがそこに、信頼していたはずの先輩・友田から思わぬ横やりが!?

 

選評

描くキャラクターは明るく、好感も持て、読みやすい演出もできている。だが、後半がただのドタバタ騒ぎに終わってしまったのはとても残念。「努力した甲斐があってよかったな!」という結びにして欲しかった。
 
 

準優秀新人賞

『パンダの刑』中山勇治
準優秀新人賞

ストーリー

交通事故を起こし、裁判にかけられた男。彼に下された判決は、パンダの刑‥‥。男は、動物園のパンダとして暮らし始める。そんなある日、彼は先輩受刑者の三田さんの悲しい過去を知る。
 

選評

もう少しキャラクターの描きわけは欲しいところだが、ほのぼのと温かい話で味があり、ラストはホロリとさせられた。絵はまだまだ拙いが、演出力もあり、なによりメッセージ性の強い作品が描ける人だと思う。
 
 

準優秀新人賞

『切れるカンヅメ』若菜
佳作

ストーリー

頭を打ったことで死者が見えるようになってしまった朝顔のぼるは、「切れるカンヅメ」と名乗る奇妙な猫の霊に出会う。主人に復讐したいというその猫との旅の先に起こる奇蹟とは‥‥!?
 

選評

退屈な現代を生きる若者の「ツマラナイ」日常を淡々と描いている。絵はまだ未熟だが、セリフ、コマ運びなどに独特な語り口を持っていて読みやすい。後半の花の群れと、子猫の骨を拾う演出は実に感動的。
 
 

佳作
『THE 検証 議題:完璧な萌えっ子は存在するのか?』   INAGO-AMAGO
佳作

選評

ネタがぎっしり詰まっていて、読み手を楽しまそうとする姿勢が伺えた好感の持てる作品。笑わせよう、引き込もうという強烈な情熱を感じさせる。
 
佳作
『スーパーアイドル劣伝UP's』 小野亮平
佳作

選評

キャラクターがそれぞれよく描けていて、くだらないと思いながらも、笑っている自分がいた。展開をスッキリさせれば、より楽しく読めるはず。
 

期待賞
『FUCK LIFE』辰己正博
佳作

選評

シンプルなストーリーを、演出力と画力で上手く仕上げている。ナマイキな王者のキャラクターがよく描けていて、目の鋭さにも魅力を感じる。
 
期待賞
『エレクトリック・チェリーガール』佐藤香穂
佳作

選評

ド直球な主人公のキャラが痛快。 「処女のモンモンを描きたい!」このネームは素晴らしい。

   
期待賞
『ベンチウォーマー』中村みも
期待賞

選評

じんわりくる4コマ。発想が独創的で妙に納得させられる。お互いを思いやる2人のキャラもいい。
 
 
期待賞
『Born Country』光橋信宏
期待賞

選評

主人公を中心としたドラマを丁寧に描こうとしている。画力不足ではあるが、熱意と信念は感じる。