第63回ちばてつや賞-ヤング部門-発表|講談社コミックプラス
 
     
   まさに激戦という言葉にふさわしい、熾烈を極める戦いとなった今回のちばてつや賞!! 全体のレベルの高さは、ちば先生お墨付き!! そんな中での大賞受賞者は、本作がなんと2作目だという、彗星のごとく現れた超大型新人小川圭選手だ!!  

 
ちばてつや先生
 

ちばてつや先生総評

日本が元気を失いがちな中で、希望が湧いてくるような、とびきりの光る才能を持った方々がたくさん現れてきてくれたことが、本当に嬉しかったです。日本のマンガ界にも、まだまだ伸びしろがあることをはっきりと感じることが出来ました。受賞者のみなさんにはこのまま更に高みへ育っていってもらいたいと心から思います。


大賞

『特攻事務員ミノワ』小川 圭 (26歳・埼玉県)
大賞
2011年11月28日(月)発売ヤングマガジン52号掲載!

ストーリー

父親の死によって、妹とふたりっきりになってしまった長男のミノワは、暴走族を辞め働く決意をする! 父親と同じ事務員を志すも面接はことごとく惨敗。しかし、なんと突然1つの会社にあっさりと内定! 喜ぶミノワだが、そこには社長のイジメに耐えかねた人事の黒い陰謀が‥。
 

ちば先生の選評

主人公ミノワのキャラクターが抜群に素晴らしい。そのほかのキャラたちも、それぞれの位置でいいバランスを作っている。演出、構成は文句なし。暴走族を辞めて更生し、会社に務めて真面目に働くミノワの波乱万丈の人生には、温もりのある光が見えて読後感もよかった。本当に楽しくて、続きが読みたくなったよ。
受賞作品を読む!
 

優秀新人賞

『D.B.S(DIRTY.BUSINESS.SECRET)』岩城宏士(40歳・福島県)
優秀新人賞

ストーリー

ヤクザですら躊躇する仕事を生業にする組織「ダーティー・ビジネス・シークレット」、通称「D.B.S」。彼らは任務遂行のためには手段を選ばない。ある日彼らに、黒川組を潰すという殺しの依頼が舞い込むが‥。
 

ちば先生の選評

非情なヤクザの裏の世界を淡々と描く静かな演技、演出力はぞくっとさせるものがあった。それでいてキャラたちの言動にある種、爽快さを感じさせるのは、エンターテイナーとして作者が確かな実力を持っている証拠だ。

受賞作品を読む!
 

優秀新人賞

『虫』活又ひろき(22歳・神奈川県)
優秀新人賞
2011年12月12日(月)発売ヤングマガジン2・3合併号掲載!

ストーリー

昆虫に夢中なサラリーマン・紺野。彼は、特に蝶がお気に入り! ある日、捕まえて大切に飼育していた蝶が死んでしまう。ショックを受けていた彼の眼に飛び込んだのは、人が全員虫になってしまった異様な風景だった!
 

ちば先生の選評

若者の猟奇的趣味を、リアルなタッチで不気味に表現した作品。何かに異常なまでに執着し、漁り求めるようになると、精神はゆがみ、眼も正常ではなくなる、という人間の怖さを描いている。画力も演出も優れた作家だ。
受賞作品を読む!
 

優秀新人賞

『七月のホトトギス』加藤元樹(29歳・岐阜県)
優秀新人賞

ストーリー

男子よりも気が強い少女のマオ。彼女は、いくらイジメられても笑ってばかりの少年、テツヤに苛立ちを覚えていた。ある日、彼の泣かない理由を知ったマオは、なんとかテツヤを泣かしてやろうとある計画を思いつく!
 

ちば先生の選評

キャラクターの一人一人の個性がとてもしっかり描かれていて、役割分担がわりやすく読み手を迷わせない演出は見事。それにしても、ラストでの見開きは思わぬ展開で、不覚にもジーンと来てしまった。一本とられたぞ。
受賞作品を読む!
 

優秀新人賞

『そんなもん』河上大志郎(22歳・京都府)
準優秀新人賞

ストーリー

OLのユキは、ニートでダメ男のタクヤと同棲中。何もしないタクヤに苛立ちを覚えていたユキは、生理が来ていないことに気付く。妊娠の不安を打ち明けるもタクヤの無責任な態度に怒りを爆発させ、家を飛び出すが‥。
 

ちば先生の選評

虚無的なセリフのやりとり、抑揚のない人物の表情がリアルで、現代の若者達の厭世的な日常がじわりと伝わってくる演出力は見事。ホッとするラストだが、ユキとタクヤは幸せになれるのかな‥と、ふと考えてしまう。
受賞作品を読む!

準優秀新人賞

『ご近所Powerful Sugar!!』韓ガラム(21歳・韓国)
準優秀新人賞

ストーリー

売れっ子作家の篠原和馬は、隣に住むうるさい女にいつもイライラ。ある日、ファミレスに自分の理想と限りなく近い女の子が! どうにかお近付きになるものの、なんとその子の正体は‥!?
 

ちば先生の選評

人物の表情や動き、背景の描き方などは、プロ並みの技術、表現力を充分に持っている。今後はストーリー運び、特に二人の出会いや絡みの場面でもっと自然な流れを作れるようになろう。
受賞作品を読む!
 

準優秀新人賞

『女王の楽団』咲良宗一郎(26歳・神奈川県)
準優秀新人賞

ストーリー

神音が所属する黒城学院は、吹奏楽部の超がつく名門高。前人未到の30年連続金賞という名誉がかかっているこの部では、戦慄するほどのスパルタ女王による恐怖政治が行われていた!
 

ちば先生の選評

ペンタッチ一本一本に気迫が籠っているし、演出、コマ運びも勢いがあってぐいぐい読ませるパワーを持っている。その上で作者のメッセージを少しでも感じさせる余韻が欲しかった。
受賞作品を読む!
 

準優秀新人賞

『マジすく』真子幸大(28歳・福岡県)
準優秀新人賞

ストーリー

入学したての高校生・良子は、奇術をやろうと誘う少し変わった同級生・秀一に付きまとわれていた。ある日、誘いを断り続ける良子の家の店には、バイトで入ったという秀一の姿が‥!
 

ちば先生の選評

キャラもストーリーも、爽やかで明るく、わりやすくて好感が持てる。ペンタッチは鋭く美しい。さらに少し鈍いフリーハンドの線を覚えると、表現できる世界が広がると思うよ。
受賞作品を読む!
 

   
期待賞
『あおげば三ツ矢』石川浩之(24歳・埼玉県)
期待賞

選評

「ギリギリじゃんかよ!」はとてもいいセリフだった。更に、こだわった構図や演出の決めシーンにはついつい引き込まれる。
 
 
期待賞
『Boys be』清水 俊(25歳・東京都)
期待賞

選評

主人公二人の思いがあふれ出すシーンはゾクッとするものがあった。演出が巧みで、作品に奥行きを感じる。今後に期待だね。
 
     
期待賞
『ルナ・ロケット』兵藤晋哉(22歳・埼玉県)
期待賞

選評

インタビュー形式でどんどん話をもっていくという変わった形式だが、その確かな表現、演出力につい引き込まれてしまった。
 
 
期待賞
『ガチンコ』鈴木秀明(39歳・東京都)
期待賞

選評

画力、構成力はともにバツグンで、エンターテインメント性も高い。撮影現場の描写や雰囲気が、細部までよく描かれている。