「バキバキ童貞です」

その一言で日本一有名な童貞となったお笑い芸人、「バキ童」ことぐんぴぃ。
そんな彼が今熱視線を送るのが「だれでも抱けるヒロイン」こと最強ビッチ・アガワさん。

童貞の代名詞までになった彼に彼女の人気の秘密をたっぷり語ってもらった！

記事の写真撮影をさせてくれるバキ童

好きな漫画を語ろうとしてテンションが上がるバキ童


——— ぐんぴぃさんが『だれでも抱けるキミが好き』をお好きだとお聞きしました。

はじめて読んだ時、「こんな漫画がついに出てきたか」と驚きました。冒頭からヒロインが主人公以外とセックスしてるじゃん‥‥って。いやこれすごくないですか？ 1話目ですよ？ 成人向け漫画ならよくあるんですけど‥‥ヤンマガって一般誌ですよね？


——— 一般誌です

普通ラブコメって、ヒロインの可愛いところを少しずつ見せていって、振り回されては勘違いだった、とかでなかなか上手に進まないけど、それも楽しかったりするものじゃないですか。でもこの作品は1話目でエッチに誘われてしまう。


——— 6話目ではアガワさんに童貞を奪われました。

ラブコメを見慣れていると、どうせヤらないだろうなって考えるんですよ。ボディタッチとか思わせぶりな口調とか濃厚な前戯シーンとか、「そこまで焦らして結局やらないヤツね。はいはい、ボク分かりましたよ」‥‥「おい、セックスしちまったよー」って。あれはビックリしました。

セックスしてしまったことに驚くバキ童


——— この漫画はヤッてからじゃないとアガワさんと関係を築けないんですよね。

そんな漫画ないんすよ！ すごすぎるって！ ヤるのがゴールだと思ってましたよ。全ラブコメそうなんですよ。「いつこのヒロインとヤるんだ？」ってのを楽しみにできるから俺たちは走れるんです。なのに、すぐにヤれてしまうっていう‥‥。主人公が最高のセフレになっていく漫画なんか一般誌で見たことがない。新しいから展開が全然読めない面白さがある。

エッチなシーンを見返すバキ童


ちなみに略称はなんて言うんですか？

———「だれきみ」ですかね。

「だれきみ」か。いや誇張なしで、ラブコメの歴史は「だれきみ」以前、「だれきみ」以後になるんじゃないかと思う。ヤッちゃった「その後」を描くって今までにほとんどなかったと思う。恋愛ゲームの大半がヒロインと恋人になることが目的だったのに、付き合った「その後」を主軸にする「ラブプラス」が出たときの衝撃に近いものがある。そういう意味で、これは飽和したラブコメ漫画に一石を投じる作品だなって。
でも、よくよく考えると人生も同じじゃないですか。ほとんどの人はエッチするわけじゃないですか。したあとの葛藤が多いわけですよね。僕は卒業できないんで、例外なんですけど。


——— あんまりセックスすべき存在じゃないですもんね。

人間って20歳ぐらいでヤるから、80年くらい生きるとして、60年くらい非童貞なわけだから童貞じゃない時期のほうが長いんですよ。この作品も卒業してからの物語のほうが長いんです。ヤッた後どうすればいいのかなって主人公はずっと考えてる。そんな作品、なかなかないですよ。

——— アガワさんは童貞にとってどういう魅力がありますか？

聖母ですね。

ヤリマンは聖母だと主張するバキ童


——— 聖母。

こんな童貞にとって救世主のような存在いないですよ。「セックスしたいです」と本音を言っちゃう主人公を笑って受け止めてくれるアガワさんって母性に溢れすぎですよ。普通ならキモがられますって。
彼女はヤリマンでありながら母でもあるんです。


——— ヤリマンで母。

とても寛容で理想の女性です。でもすごく残酷なところもある。6話の挿入直前に「本当に私で大丈夫？」と今一番、主人公が言われたくない質問をする。で、その返答を待たず童貞を奪っちゃう。こんな無残な童貞卒業シーンがあるんだと（笑）


——— あの回は反響がすごかったです。

ギャル系ラブコメによくあるハッピーエンドっぽいシーンが出てくるんですよ。主人公だけは彼女に手を出さない。そこが気に入られてギャルの特別な存在になれて果てに付き合うみたいな、ありがちな展開が。でも、それは妄想で、実際にはセックスしていた（笑）それもフリにしちゃえるんだって‥‥。かなり驚きました。あれで全てのラブコメを過去にしちゃった。宣告したもん。はいはい、そんな綺麗ごと、もう令和のラブコメでは通用しないぞって。その時、この漫画は相当面白いぞって気づいたんです。

——— 作中の推しシーンはありますか？

そうですね。7話目のゴトウくんが後悔しながらセックスするシーンは、もうとにかく好きです。本当にすばらしい。あんなに一生懸命「セックスしたらダメだ」って言ってる主人公がセックスの快楽に堕ちてしまう。セックスって相当気持ちいいんだなと嫌でも伝わる。


——— 童貞の人にも伝わってよかったです！

セックス中に友達の会話が挟まるのもいいんですよ。友達たちよりも先にセックスしちゃうことへの罪悪感をうまくギャグに昇華できているなと思いました。「もう手とか繋いだりしているのかな」との対比（①）もすごい。大学時代、好きだった子が自分の友だちと付き合ってたことがあってそのときなんとなく「ちんちんを舐めないでくれたらいいな」って思ってた。セックスしたって聞いたときも「ちんちんとかあんま見ていなかったらいいな」って。
女性は一生ちんちんに触らないでエッチしてほしいんですよ、童貞は。その時の感情に近いものがある。童貞の気持ちをよく描けてますよ、これ。

——— 最後にまだ読んでない方へ推薦をお願いします。

童貞はまず絶対読むべきです。なんなら僕と一緒に読みましょう。あと実はエッチした後の話だから、非童貞も読んでいいんです。


——— 全人類読んでいいと。

全人類読んでいい。必読の書です。
マジでめっちゃ面白いから。天才だよ天才、マジで天才だよ、この作者。ほんとエロいから！ ここだけの話、このインタビュー前に家でもう1回読み直していたんだけど、エロすぎて抜いちゃいましたもん。


——— 手洗いました？

洗ってますよ！


——— ありがとうございました！

語り尽くして満面の笑みをうかべるバキ童