新人漫画家さんのために、大ヒット作家に「人気作を生む秘訣」をお聞きするこの企画。
三田紀房先生、門馬司先生、小川亮先生という豪華メンバーに登場いただきます!

今回お話を伺ったのはシリーズ累計200万部を突破した『満州アヘンスクワッド』の原作者、門馬司先生!
今回から全4回にわたってインタビューを掲載します。

このほかのインタビューはこちらから!

門馬司先生 プロフィール
漫画原作者。現在「満州アヘンスクワッド」をヤングマガジンで連載中。他に『ギルティサークル』『首を斬らねばわかるまい』など。

【第1回】ピンチを制する者はサスペンスを制す‥‥。読者を本気でハラハラさせるにはまず自分から!


――本日はよろしくお願いいたします。『満州アヘンスクワッド』の魅力の一つが次から次へと襲い来るピンチ! 絶体絶命の危機に挑む主人公、日方勇たちの姿を門馬先生はどう描いているのでしょうか?

門馬
よろしくお願いします。
サスペンスの醍醐味といえばピンチとその突破ですが、一番大切なのは「面白いピンチ」を作ることです!

――「面白い解決法」ではなくて「面白いピンチ」なんですね‥‥!

門馬
そうなんです。むしろ最初は解決法を考えず、なんなら「解決できなくてもいいや」と思いながら作っています。ミステリー作品って謎が面白ければ答えが面白くなくてもいいですよね。
サスペンスでもそれと同じで、
ピンチのシーンそれ自体が面白くて魅力的なものであることが何より大事なんです。

――なるほど・・・・。でも「面白いピンチ」だけを追求していたら、さすがに解決不可能なものになってしまいませんか?

門馬
それでいいんです! 
極論を言えば、いろいろ突破方法を模索した結果「あーあ、解決できなかった。死んじゃった」でもアリです(笑)。
でも、基本的には漫画の力でどうにかなるものなんです。

――「漫画の力」ですか?

門馬
例えば現実だと、崖から落ちたり頭を銃で撃たれたりしたら普通に死んでしまいますが、漫画なら死ななかったことにできるんです。

現実だと絶対に無理なことでも漫画の中だとどうにかできちゃう。

新人さんの描くサスペンス作品の原稿を見ていると、どうしてもピンチが甘いなと感じることがあります。
これはどうやって解決するかを最初に決めておいてからピンチを作るのが原因なんだと思います。

――編集としても耳が痛い指摘です‥‥。 門馬先生は普段どのようにピンチシーンを作っていらっしゃるのでしょうか?

門馬
例えば「カー・チェイス」では、後ろから追われて逃げている勇たちの目の前に更に憲兵が立ちふさがっている、というピンチの構図が面白いなと思って、そこが始点になっています。
この「前門の虎後門の狼」の状況を作り出したうえで、いくつか解決策を考えていきました。
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最初は、車でグルグル回って泥を跳ねさせて目潰しするというギミックを効かせた案も考えていたのですが‥‥結局「キリルならこれぐらい突破できる!」と思ってシンプルに正面突破することにしました。
キャラクターへの信頼があるからできたことですね。
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▲正面突破している実際のシーン。

まとめ ~「面白いピンチ」の作り方~

①ピンチは解決法を考えない!
解決できるかどうかは無視! まずはとにかく自分が面白いと思えるピンチを考えてみよう。
②漫画の力、キャラクターの力を信じよう!
大抵の危機は漫画の力で突破可能! キャラクターを信じて自由な発想で解決策を作ってみよう。


門馬先生、ありがとうございました!
次回はキャラクターの描き方についてです。お楽しみに!

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