RE雨宮のアマさんが挑む“涼介仕様FC”復活プロジェクト。その第2回となる今回は、ベース車両となるFC3Sの現状を細かく確認していく。積載車から降ろされたFCは、すぐにガレージへと入庫された。ここからは、各部の状態を順番に見ていきたい。

■ 白き彗星の“眠り”を解く現状チェック

まず目に入るのは、経年劣化が進んだボディだ。涼介仕様ではボンネットを交換するため大きな問題ではないが、現状を記録しておく。ボンネットはクリアが完全に剥げており、光沢はほぼ失われている。

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ルーフやBピラーにも塗装の剥げが見られる。
リアゲートを開けると、錆と腐食が確認できた。
 

■ 涼介の公道最速理論を支える“骨格”を読む

リフトに載せ、車体下部を確認する。ホイールを外し、フェンダー内部を覗くと、経年劣化はあるものの状態は意外と良好だ。

旋回性に直結するサスペンション系のブッシュ類は、もちろんリフレッシュされる予定。
 アンダーパネルにはところどころ錆があり、長い年月を感じさせる。意外だったのはオイルパンの状態で、補器類と比べて綺麗な印象。過去にオーバーホールされた形跡かもしれない。
フロント下部には腐食が見られるため、オールペン時に補修される。
 

■ あの日の箱根バトルを支えたFR駆動の哲学

デフケースにはオイルの滲みが確認できるが、こちらもリフレッシュ対象だ。プロペラシャフトやドライブシャフトなど、駆動系はすべてチェックされ、綺麗に生まれ変わることになる。

 

■ ロータリーの神様が読み解く“涼介FCの正体”

涼介仕様FCの復活計画を担当するのは、工場長の吉田学さん。RE雨宮に加入する前は、神奈川のロータリーチューニングで名を馳せた「ファムスピード」で20年以上腕を振るった人物だ。 ロータリー一筋25年以上。アマさんを支える右腕として欠かせない存在である。

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■ Finalステージ仕様の核心へ――再現ポイントを探る


ここからの工程は膨大だ。
・エンジン、ミッションなどの駆動系を取り外し
・インテリア、サスペンションを分解
・ホワイトボディ化
・ボディ修復とペイント
・エンジン製作
・エクステリアパーツの製作・手配
・補器類のブラッシュアップ
 
見た目で分かりやすいのはボディパーツだが、涼介仕様の特徴は以下の通り。
・固定式ヘッドライト⇒角目リトラから、軽量化と空力を両立した固定式へ換装。
・エアロボンネット⇒インタークーラー冷却効率を高めるダクト付き。
・専用フロントバンパー⇒高いエアロダイナミクスを狙った大型形状。
・RE雨宮製大型GTウイング(スワンネック風)⇒リアの接地圧を大幅に向上させる象徴的なパーツ。
 
フロントバンパーは特に厄介だ。基本形状はRE雨宮オリジナルだが、涼介仕様にはリップスポイラーが備わる。同じ形状のバンパーは現存しないため、型を起こして製作するというこだわりようだ。
ボンネットも同様で、おそらくベースはERC(エリートレーシングコーポレーション)製だが、実車の形状とは微妙に異なる。当時はFC3Sのボディパーツが豊富で、廉価版の模倣品も多かったため、原作の個体がどのメーカーのパーツを装着していたかはデータが残っていない。

■ 原作では語られなかった“340psの裏側”


13B-Tをベースにチューンされ、出力は340ps仕様。赤城対決時の260psからパワーアップしつつ、“扱いやすさを優先する”涼介らしい思想が宿る。
原作ではブラックボックスだが、RE雨宮には長年のノウハウがあるため、出力からチューニング内容は推測できる。搭載されるベースエンジンのコンプレッションは、プライマリー/セカンダリーともに 8.2kPa。13Bの正常値は8.5kg/cm²以上、限界値は7.0kg/cm²。15万km走行の個体としては、十分に高い数値でベースとして申し分ない。
 
涼介の公道最速理論を“実車で再構築”する工程が始まる。FC3Sホワイトボディ化へ――ここからが本当の戦いだ。
 
次回、第3回。 白き彗星はついに“完全分解”の工程へ。
涼介FCの魂を現実で組み直す作業が、本格的に動き出す。
 
クレジット
撮影協力:有限会社アール・イーアメミヤ HP: http://www.re-amemiya.co.jp/
Photo:山本佳吾
Text:武井寛史(『MFゴースト』『昴と彗星』ドライビングアドバイザー)