異色SEXYファンタジー『パラレルパラダイス』を連載中の岡本倫氏にスペシャルインタビューを実施! 鬼才・岡本倫の素顔と、『パラレルパラダイス』の制作裏話に迫ります。
第2回は『パラレルパラダイス』がどうやって生まれたのか?  連載前の心境にズームアップです!

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「ヤクザ・ヤンキー・エロなら、エロを描こうと思った」
『パラレルパラダイス』誕⽣秘話

ヤンマガWeb
『パラレルパラダイス』が誕⽣したきっかけについてお聞かせください。
岡本倫
担当の星野さんから「『ヤンマガ』でどうでしょう」と誘っていただいたのがはじまりです。あまりないことだと思うんですけど、ネームを作る前の段階で、連載をさせていただくことが決まっていました。
ヤンマガWeb
岡本先⽣は「ヤングマガジン」にどんなイメージをお持ちでしたか?
岡本倫
学⽣の頃にはずっと読んでいて、「ヤクザとヤンキーとエロ」の雑誌っていうイメージがありました。せっかく声をかけていただいたので、そのヤンマガで僕が何を描くかといったらやっぱりエロじゃないか、と。
ヤンマガWeb
岡本先⽣の描くヤクザもの、ヤンキーものというのも、それはそれで興味があります…!
岡本倫
殴り合いの喧嘩をした経験もないですからねぇ。主⼈公ふたりが歩いていて、むこうからヤンキー3⼈がやってきました。そのとき『ビー・バップ・ハイスクール』みたいに「やべぇ、こっちはふたりで向こうは3⼈だ」って慌てるのがリアルなのか、『バキ』みたいに「100⼈に囲まれようが前後左右の4⼈だけ倒せば関係ねぇ」みたいのが正しいのかわからないんです。
そこら辺の機微がわからない僕が、ヤンキー漫画に挑戦してもいい結果にならないだろうと思ったんです。
ヤンマガWeb
なるほど。たしかにヤンキーのリアリティは実際に経験していないと難しいですね。
担当の星野さんは、岡本先⽣のどういったところに魅⼒を感じてオファーされたんですか?
星野(担当編集)
残酷なところと⼥の⼦のかわいいところ……その組み合わせが本当に衝撃で。ぜひうちで描いてほしくて、編集⻑も説得して連載枠も⽤意してお声がけしました。
ヤンマガWeb
「異世界転⽣もの」をやろうというのは先⽣、星野さんのどちらからの提案だったんでしょう?
星野(担当編集)
まず岡本先⽣からファンタジーをやりたいというお話をいただいて。お声がけした当時、ファンタジーものが流⾏っていた反⾯、「ヤンマガ」でファンタジーは難しいとも⾔われていて。時代には合致してるけど、雑誌的に難しいジャンルに岡本先⽣が挑戦してくれるなんて! とすごく驚きました。
岡本倫
僕から⾔ったんだっけ? 完全に異世界転⽣の波に乗っかるつもりだったんだろうけど。でも異世界転⽣ものを⾃分なりの解釈でやりたいなっていうのは考えていたことだったんです。トラックに撥ねられるみたく異世界に転⽣する理由が適当だったり、あとは転生したら、現世とのつながりがぷっつりと切れてしまうことがずっと気になっていたんですよね。なので『パラレルパラダイス』では、現世とのつながりも確保してみたり、整合性を意識していました。
ヤンマガWeb
現世と異世界を複数回⾏き来するというのは、たしかにあまり⾒ない設定のように思います。
「男が⾃分しかいない世界」「女の子は主人公と交尾しないと死ぬ世界」という世界観はどのようにして⽣まれたんでしょうか?
岡本倫
「男が⾃分しかいない世界」については、「どういうところに転⽣したら嬉しいんだろう?」と、考えていった結果、そうなりました。でもそれだけだとなかなかエッチなシーンには辿りつけないので、どうにか交尾しやすい環境を整えるという意味で「交尾しないと死んでしまう」という設定が⽣まれたんです。
『パラレルパラダイス』第1話のラストシーンより。読者を喜ばせたいというサービス精神をファンタジー世界に落とし込んだ結果、『パラレルパラダイス』は生まれた!
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「交尾しやすい環境を整える」ってすごい⾔葉ですね…。
ヤンマガWeb
星野さんは初めて「男が⾃分しかいない世界」「交尾しないと死ぬ世界」という設定を聞いたときはどう思われましたか?
星野(担当編集)
天才だなと! その2つに加えて「交尾をしないと20歳を前にして死んでしまう」「10〜20歳の間しか外で⽣きられない」っていう設定も合わせて伝えてくださって。「切ない! 岡本先⽣しか考えられない! 」そう思ったのを覚えてます。
岡本倫
適当だな〜(笑)。でも、読者はそういう整合性よりもキャラクターを描けてるかどうかを⾒ているんですよね。キャラに振り切ったほうが⼈気が出るし売れるんだろうなって思うんですけど、なかなかそちらに踏み切れないというジレンマは持っています。
ヤンマガWeb
キャラクターのお話が出たのでお聞きします。『パラレルパラダイス』には多種多様な⼥性キャラクターが登場しますが、キャラクターを⽣み出す上で気をつけていることはありますか?
岡本倫
キャラに限らずなんですが、読者が読みたいと思うものを描くことです。
キャラにバリエーション出すためだけに「発情しなくてエロはなし!」みたいなことをやっても誰も喜ばないので。⼀貫して交尾させるっていうのは徹底してますね。
ヤンマガWeb
「20歳までに死ぬ」という過酷な運命を背負っているのに、みんな元気で前向きなのも読者を意識してということでしょうか?
岡本倫
そうですね。あんまり暗い感じが続かないようにっていうのは気をつけています。
ヤンマガWeb
ちなみに『パラレルパラダイス』のなかで先⽣のお気に⼊りのキャラクターはいますか?
岡本倫
リリアですね。
ヤンマガWeb
そうなんですね!
ヤンマガWeb
先⽣はTwitterでも「おっぱいはそれほど重要じゃない」と度々おっしゃってますよね。その意味でも⼀番スレンダーなリリアがお好きなんですか?
岡本倫
はい、おっぱいは⼤きくても⼩さくてもどっちでもいいですね。おっぱいが⼤きいキャラが好きな男性読者が多いので、ニーズ的に⼤きくしています。リリアが好きなのは、健気なところ、性欲に正直なところです。
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『パラレルパラダイス』第2話より。漫画としてのニーズを考え、ルーミは胸が大きめに描かれている。
ヤンマガWeb
『パラレルパラダイス』のキャラは、みな性欲に正直ではあると思うのですが…。
岡本倫
リリアは⼈⼀倍性欲に正直なんですよ。その部分が健気だなと思います。
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『パラレルパラダイス』第1巻より。自分の体の変化を受け入れられず、理性を保とうとするリリア。真面目で健気な性格が現れている。
『パラレルパラダイス』第1巻より。ついに自分の思いの丈を正直にぶつけてしまうリリア。
『パラレルパラダイス』第2巻より。自らの変化を理解したリリアは、ありのままの気持ちでヨータと向き合うようになった。
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ちなみに先⽣のお好きな⼥性はどんなタイプなんでしょうか?
岡本倫
素朴な⼈が好きですね。
ヤンマガWeb
素朴…! 先⽣が思う素朴とは…?
岡本倫
健気で純粋で正直、ということですかね。健気な⼥の⼦がやっぱりかわいいですよね。
『パラレルパラダイス』が生まれるまでから、岡本倫氏の好みのタイプまで明らかとなった第2回はここまで!
第3回は岡本先生流の読者の感情の揺さぶり方に迫ります! 12月18日(金)更新の第3回をお楽しみに!


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