『税金で買った本』が、“川島重版”のパワーで累計15万部を突破!
川島:自分としては面白いと思ったものを面白いって言わせてもらっただけで、本当にすごいのは作者のずいの先生と系山冏先生ですからね。“川島重版”という言葉も出版社の方々が勝手にそんなふうに言ってくださってるだけで、全然実感はなくて。僕の力なんかじゃないですよ(笑)。
川島:もちろんいい作品だから紹介したんですが、他の方とのバランスも良かったのかもしれないですね。コバ(ケンドーコバヤシ)さんを筆頭に、エロ、バイオレンスの作品を言われる方が多い中で、たぶんここは誰も言わへんなっていうのもあって。汗くさい作品ばかりだから、ポンッと入ると目立つんですよね(笑)。
『税金で買った本』はその最たるものだったと思います。激辛ラーメン店の唯一食べられるラーメンみたいな。普通の人はそっちを頼みますよね(笑)。
『税金で買った本』はその最たるものだったと思います。激辛ラーメン店の唯一食べられるラーメンみたいな。普通の人はそっちを頼みますよね(笑)。
川島さんの思う、『税金で買った本』の魅力は?
ヤンマガWeb:あらためて、川島さんは作品のどんな点に惹かれたんですか?
川島:単行本から入ったんですが、本屋さんで見つけたときに背表紙が目を引いたっていうのと、やっぱり図書館側から見た図書館の話っていうのが興味を引きましたね。
本の修理の話(2冊目『恩讐の彼方に』)みたいに、実際、うちの子供が図書館の本を破っちゃったことがあるんですよ。正直にそのまま持って行ったんですけど、家の本を直すときはセロテープを使っていたので、勝手に補修して返すのは迷惑なんだなって勉強になって。
あと、匂いの話(5冊目『絶対できる!片付け』)が自分としてはすごく良かったんですよ。エピソードとしてもなんかリアルで、匂いっていうマンガではなかなか伝わりにくいところを真に迫る感じで描写していて。そこからハマりました。
本の修理の話(2冊目『恩讐の彼方に』)みたいに、実際、うちの子供が図書館の本を破っちゃったことがあるんですよ。正直にそのまま持って行ったんですけど、家の本を直すときはセロテープを使っていたので、勝手に補修して返すのは迷惑なんだなって勉強になって。
あと、匂いの話(5冊目『絶対できる!片付け』)が自分としてはすごく良かったんですよ。エピソードとしてもなんかリアルで、匂いっていうマンガではなかなか伝わりにくいところを真に迫る感じで描写していて。そこからハマりました。
ヤンマガWeb:他にお好きなエピソードは?
川島:図書館で充電する子の話(4冊目『エコ節電の教科書』)はいいですよね。
あれは実際にもファーストフードや居酒屋で問題視されている行動ですけど、実際いくら浮くのかっていうことは誰も言ってなかったのが、ちゃんとそこを計算してツッコんでいて。
これを読んでそういう行動を止めた人もいっぱいいるやろうなって思いました。
物語として図書館あるあるをずっと描いていくのかなと思ったら、それだけじゃなくて、図書館を通じての背景の人間ドラマも描いていて。そこも面白いですよね。
ヤンマガWeb:その中でも好きなキャラクターというと誰でしょう?
あれは実際にもファーストフードや居酒屋で問題視されている行動ですけど、実際いくら浮くのかっていうことは誰も言ってなかったのが、ちゃんとそこを計算してツッコんでいて。
これを読んでそういう行動を止めた人もいっぱいいるやろうなって思いました。
物語として図書館あるあるをずっと描いていくのかなと思ったら、それだけじゃなくて、図書館を通じての背景の人間ドラマも描いていて。そこも面白いですよね。
ヤンマガWeb:その中でも好きなキャラクターというと誰でしょう?
川島:一貫して白井さんは好きです(笑)。いいキャラですよね。力ワザで押し切っていて、白井さんがおらんかったらあの図書館は成立してないんじゃないかなって(笑)。設定がいいんですよ。もともとムキムキな人じゃなくて、自分の努力で筋肉の鎧を付けて嘗められない人間になって、好きな仕事をしてるっていうところが好きなんですよね。
『税金で買った本』は、子供にこそ読んで欲しいヤンマガ作品!?
ヤンマガWeb:川島さん自身、普段の生活で図書館を利用されたりはしますか?
川島:小学生のときはよく行ってました。貸出カードが好きやったんですよね。カラオケの履歴を見るのも好きなんですけど(笑)、その本を借りた人たちの人生が感じられて、こういう人たちの手を渡って来ているんだなと思うと、それこそ『税金で買った本』みたいなドラマがあって。大人になってからは子供が出来て一緒に行くようになりましたね。それでまた図書館に興味が出てきたタイミングで、ちょうどこの作品に出会ったんですよ。
ヤンマガWeb:じゃあ、実際に図書館で本を借りられたりも?
川島:基本的に借りるのは子供の本なんですけど、それを一緒になって見たりはしてますね。子供の本って言うても書いてるのは博士みたいな人なので、詳しいし分かりやすいんですよ。
子供が今、虫が好きで、ハエ取りグモだけで一冊の本になってたりするんですけど、立派な目があるって分かったり、天敵も多いって知ったり、気いついたら夢中になって読んでますね。ネットでも調べられるんですが、本だとふいにページをめくってもプロが書いた面白さがあって。そういう本と出会えるのも図書館やからかなって思いますね。
子供が今、虫が好きで、ハエ取りグモだけで一冊の本になってたりするんですけど、立派な目があるって分かったり、天敵も多いって知ったり、気いついたら夢中になって読んでますね。ネットでも調べられるんですが、本だとふいにページをめくってもプロが書いた面白さがあって。そういう本と出会えるのも図書館やからかなって思いますね。
ヤンマガWeb:読み聞かせのエピソードもありましたが(12冊目『三びきのやぎのがらがらどん』、13冊目『三びきのやぎのがらがらどん 大型本』)、川島さんもお子さんに読み聞かせをされたりしますか?
川島:めちゃします。すごい面白いですよね、あのエピソードは。
読み聞かせってすごい技術が要るんですよ。どこで盛り上げる、どこでページめくるって。
我々の仕事でも大喜利でどのタイミングでフリップを出すかとか、その文字の書き方とか言い方とかめちゃくちゃあるんですけど、読み聞かせに共通していて、石平くんが悪戦苦闘してる様なんかもリアルやなと思いましたね。
『税金で買った本』もぜひ図書館に置いて欲しいですね。図書館におけるルールやマナーをマンガで知れるわけじゃないですか。『アメトーーク!』で紹介したときもお子さんがいる方からの反響がすごかったんですが、子供がもうちょっと大きくなったら僕もぜひ読ませたいです。
川島:めちゃします。すごい面白いですよね、あのエピソードは。
読み聞かせってすごい技術が要るんですよ。どこで盛り上げる、どこでページめくるって。
我々の仕事でも大喜利でどのタイミングでフリップを出すかとか、その文字の書き方とか言い方とかめちゃくちゃあるんですけど、読み聞かせに共通していて、石平くんが悪戦苦闘してる様なんかもリアルやなと思いましたね。
『税金で買った本』もぜひ図書館に置いて欲しいですね。図書館におけるルールやマナーをマンガで知れるわけじゃないですか。『アメトーーク!』で紹介したときもお子さんがいる方からの反響がすごかったんですが、子供がもうちょっと大きくなったら僕もぜひ読ませたいです。
ヤンマガWeb:図書館に置いて、子供にこそ読んで欲しいヤンマガ作品!
川島:子供が読むような媒体で連載していてもいいはずなのに、これがヤンマガだっていうのが逆にめちゃくちゃいいんですよ。
それこそめちゃくちゃ荒れてる高校で唯一治安を守っている図書室みたいな存在じゃないですか(笑)。エロとバイオレンスの中でひとり優等生がいると、どっちも締まるなっていう。そういった意味でのギャップもすごく自分の中で刺さっていて、ひとつくらいはこういう存在がないと。ヤンマガの良心の部分を見ましたね(笑)。
それこそめちゃくちゃ荒れてる高校で唯一治安を守っている図書室みたいな存在じゃないですか(笑)。エロとバイオレンスの中でひとり優等生がいると、どっちも締まるなっていう。そういった意味でのギャップもすごく自分の中で刺さっていて、ひとつくらいはこういう存在がないと。ヤンマガの良心の部分を見ましたね(笑)。
川島さんが、好きなマンガ作品について語る!
ヤンマガWeb:他にお好きなヤンマガ作品について、ぜひ聞かせてください。
川島:今一番楽しみにしているのは、『ザ・ファブル The second contact』(南勝久)ですね。ファブルと知らんと絡んでくるヤツとか、陽子ちゃんの酒自慢であるとか、読んでいて楽しい要素がいっぱい入っていて、ホンマにずっとワクワクできるじゃないですか。それでいて実はそこまでの悪人もいなかったりして、また帰ってきてくれてすごい嬉しいです。
ヤンマガWeb:電子書店で川島さんオススメの作品が展開されますが、そちらでもヤンマガ作品を多数取り上げていただいてるんですよね。
ヤンマガWeb:電子書店で川島さんオススメの作品が展開されますが、そちらでもヤンマガ作品を多数取り上げていただいてるんですよね。
川島:その中でも『パッパカパー』(史村翔・水野トビオ)なんかは電子書籍でしか読めないですからね。学生時代、マンガも競馬も好きなのにお金はなくて、それでも競馬マンガだけは知識が入るから全部買い集めてたんですよ。その中でも『パッパカパー』が大好きで。いや、馬券買いでどんどん堕ちていく人間の話で、ひどいマンガなんですよ(笑)。でも競馬に負けたあとに読むと、コイツらよりはマシかなって癒されて。今は絶版で、電子書店を見たらあったので全巻読み直したんですけど、当時読んだとき以上にトンデモなかったです(笑)。
ヤンマガWeb:ヤンマガ以外の作品では、どんなタイトルを挙げられたんですか?
川島:嘘はつきたくないので、自分が日々読んでいて、いいなと思うものを挙げてます。『定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ~』(吉本浩二)なんかも相変わらず面白くて、僕らの番組に遊びに来てくれたことも普通の日記みたいに描いていて。
あの作品のせいで、『川島・山内のマンガ沼』っていう番組がすごい狭いスタジオでやってることがバレてしまいました(笑)。
『望郷太郎』(山田芳裕)も好きなんですけど、絶対、女子は嫌うやろうなぁって(笑)。
山田先生は汗くささを描くのがめちゃくちゃ上手いんですよね。重たい、苦しい、痛そうっていうシーンも描くけど、男がシビれるシーンを描いてくれて、読み応えあるというか。これからどうなるんだろうなって楽しみにしてます。
あの作品のせいで、『川島・山内のマンガ沼』っていう番組がすごい狭いスタジオでやってることがバレてしまいました(笑)。
『望郷太郎』(山田芳裕)も好きなんですけど、絶対、女子は嫌うやろうなぁって(笑)。
山田先生は汗くささを描くのがめちゃくちゃ上手いんですよね。重たい、苦しい、痛そうっていうシーンも描くけど、男がシビれるシーンを描いてくれて、読み応えあるというか。これからどうなるんだろうなって楽しみにしてます。
ヤンマガWeb:ハロルド作石先生のヤンマガ作品も紹介されてますね。
川島:大好きなんですよ。『ゴリラーマン』はうちの兄貴の世代なんですけど、読んでみたらただただ面白くて。正統派なヤンキー漫画ではなくて、ちょっと異質でギャグもありつつケンカもありつつ、たわいもない日常を面白く描いておられるなっていう。
世代としてモロだったのは、『ストッパー毒島』。そのとき野球がめっちゃ好きやったので、毒島の生き方とか兄貴との確執であるとか、チックくんっていうチームマスコットとの謎の関係であるとか、もう夢中になって読んでました。毒島が一回、腐ってしまうというか、どうもならんってことでスコアラーにでもなるかって言い出すんですけど、1ページめくるともうまたすぐ投球練習していて。結局、やるしかねぇんだよっていうところがすごい真っすぐで好きで、分かりやすいじゃないですか。結構、背中押されたなっていう作品が『毒島』でしたね。出てくるキャラクターを全員パワプロ(『実況パワフルプロ野球』)で作ったりして(笑)。それくらいハマッてました。
世代としてモロだったのは、『ストッパー毒島』。そのとき野球がめっちゃ好きやったので、毒島の生き方とか兄貴との確執であるとか、チックくんっていうチームマスコットとの謎の関係であるとか、もう夢中になって読んでました。毒島が一回、腐ってしまうというか、どうもならんってことでスコアラーにでもなるかって言い出すんですけど、1ページめくるともうまたすぐ投球練習していて。結局、やるしかねぇんだよっていうところがすごい真っすぐで好きで、分かりやすいじゃないですか。結構、背中押されたなっていう作品が『毒島』でしたね。出てくるキャラクターを全員パワプロ(『実況パワフルプロ野球』)で作ったりして(笑)。それくらいハマッてました。
ヤンマガWeb:今も昔も、川島さんはヤンマガ芸人ってことですね!
川島:ハロルド先生には影響を受けていて、望月ミネタロウ先生も大好きです。あと、花沢健吾先生。
『アンダーニンジャ』も楽しみな作品で、臨場感がありながら殺しの描写にしてもきれいじゃないですか。
他誌の前の作品(『たかが黄昏れ』)を一回止めて描かれていて、そっちのマンガも好きだったので非常に複雑ではあるんですけどね。
移籍した中田翔を応援してるような気持ちで(笑)。
でもレジェンドたちが集まっていて、そこに『税金で買った本』が混じっていて、ヤンマガは本当に大人のお子様ランチみたいな感じで。好きなラインナップばっかりですね!
『アンダーニンジャ』も楽しみな作品で、臨場感がありながら殺しの描写にしてもきれいじゃないですか。
他誌の前の作品(『たかが黄昏れ』)を一回止めて描かれていて、そっちのマンガも好きだったので非常に複雑ではあるんですけどね。
移籍した中田翔を応援してるような気持ちで(笑)。
でもレジェンドたちが集まっていて、そこに『税金で買った本』が混じっていて、ヤンマガは本当に大人のお子様ランチみたいな感じで。好きなラインナップばっかりですね!
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