シリーズ3作目の今でも不動の人気を誇る『彼岸島』。作品を読み込んでいるうちに、どうしても気になってしまった点をとことん追求する連載がこの「月曜日の彼岸島」です。
ここでは過去の人気記事を再掲載します!
→『彼岸島』を今すぐ読む!
→『彼岸島 最後の47日間』を今すぐ読む!
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2002年、日本が日韓ワールドカップで盛り上がっていたその年、ヤンマガで1本の漫画連載がスタートした。
丸眼鏡の男・宮本 篤が丸太を手に吸血鬼を倒すシーンから始まった、その作品の名は『彼岸島』。
あれから19年、シリーズ累計1000万部突破(2021年3月時点)の偉業を耳にして、我々『彼岸島』チームはふと考えた。「この偉業を讃える何かをすべきでは?」と。
こうして我々の戦いは始まった――!
国会議事堂に掲げた、あの旗を作る!
このめでたい日を祝うべく、我々は何をすべきなのだろう? 『彼岸島』チームは雁首揃えて悩んでいた。
「『彼岸島』と言えば雅様だろう」誰かが言った。
「雅様を祝うなら、目印になるアイテムが必要だ」と違う誰かが言った。
周囲に『彼岸島』シリーズの素晴らしさを伝える役割を担った我々は、まさに『彼岸島』を祝う“旗振り役”を務めるべきだ。
‥‥そうか、分かった! 分かったぞ!! 我々に必要なのは“旗”なのだ! そして『彼岸島』にはそれにぴったりなものがある――。
‥‥そうか、分かった! 分かったぞ!! 我々に必要なのは“旗”なのだ! そして『彼岸島』にはそれにぴったりなものがある――。
あの雅様の旗を作ろう!
『彼岸島 48日後…』本編で、国会議事堂のてっぺんで燦然と輝いていた「雅様の旗」。
読者のみならず編集部の度肝までも抜いたあの素敵な旗の実物を作って、より多くの人に見てもらいたい!
マグマのごとく燃えたぎった想いは止められず、我々『彼岸島』チームはその無謀な計画を、我々とは全くノリの異なる宣伝会議に後先考えずに提案した。
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静まりかえる会議室。
え? 僕たち何か変なこと言った‥‥?
「ウソウソウソ、冗談‥‥」
「いいですよ」
沈黙に耐えきれずに口にした我々の言い訳を遮るように、宣伝部から出たのはまさかのOKの返事。ビビらせんじゃねェ! と心の中で鮫島が叫んだが、我々はそんな事はおくびにも出さず、作り笑いをしてその場を後にした。大人の対応である。
こうして「雅様の旗」製作プロジェクトは実現に向けてついに動き出した。
そして製作は始まり、我々は聖地巡礼の旅に出る!
製作が決まったとはいえ、我々にはまだ越えなければならない試練があった。
予算‥‥つまりお金だ。
旗を作るといっても、お子様ランチに付いてくる小さな旗を作るわけじゃない。我々の目的は1000万部突破を祝って、一人でも多くの人に「雅様の旗」を見てもらうことだ。そのためにはクソでかい旗でないとダメだ。
だが、ネットで製作してくれる業者を探し、見積額を見て我々は絶句した。
高い、予想以上に高い。こんなすんの!?
理想のサイズで作れば確実に予算はオーバーする。やはり小さいサイズで我慢するしかないのか? 日和るしかないのか? 現実に直面して我々『彼岸島』チームは苦悩する。
その時だった。
「旦那、作っちまいましょうや!」
パソコンの画面の向こう側から、会ったこともない業者のおっちゃんが『彼岸島』のザコ吸血鬼っぽい口調で語りかけてきた。幻聴だ! 分かってはいても抗うことは難しかった。
そして松本光司先生が「雅様の旗」のためにイラストを描き下ろしてくれることも、我々の後押しになった。「それだったら描き下ろしますよ」と二つ返事で承諾してくださった先生のご厚意に応えるためにも、我々はクソデカな旗を作らねばならない! 予算など、もはやどうでもよかった。
後日、業者から予想を遥かに超える見積額が届いたものの、もはや我々に怖いものは何もない。予算は当たり前のようにオーバーしているが、編集長に内緒にしておけば当面の間は誤魔化せる。気づかれる前にこの旗を宣伝に活用し、編集長が認めざるを得ない状況を作り出せばいいだけだ!
見よ! これが我々の魂の旗だ‼︎
こうして我々は製作費の元を取るために、『彼岸島』の戦いの舞台になった聖地を巡る旅に出た。
こうして我々は製作費の元を取るために、『彼岸島』の戦いの舞台になった聖地を巡る旅に出た。
明たちの戦いの足跡を辿る旅、それは同時に現実世界で周囲の好奇な目にさらされる羞恥心との戦いでもあった――!
巣鴨・地蔵通り商店街看板前
クソ喰い爺が住処にしていた巣鴨へ! こわごわとしながらも優しく接してくれるお爺ちゃん、お婆ちゃんに救われながらも、第一の聖地はクリアだ!
東京ドーム前
明が姑獲鳥と死闘を繰り広げたドームへ! ラッキーなことに人通りが少なく、『彼岸島』チームも胸を張って旗を掲げる!!
池袋
最後はサンジョインで眠り女が大暴れした池袋! 人通りの多い繁華街だが、巣鴨・後楽園と巡ってきた我々には、もはや羞恥心すら心地良い! 見たいならば見ればいい!! 「雅様の旗」を見せつける、それが我らの喜びだ!!
ここまで読んでくれてありがてェ!
次回「雅様の旗」が『彼岸島』の新たな扉を開き、我々は師匠の邪鬼化以上の衝撃を味わうことになる!
楽しみに待っててくれよな!