新人漫画家さんたちがヤンマガで羽ばたいていくまでをお伝えするヤンマガニュース。今回はちばてつや賞ヤング部門第91回期待賞を受賞した『インベーダーゲーム』の作者、岩井敬人氏にインタビューしました!
岩井敬人氏 プロフィール
青森県出身。趣味は映画鑑賞で、猫派。
前職は医療関係であったが、精神的な不調で休職し漫画を描いてみたところ、メンタルが回復したため今でも描き続けている。好きな映画は『ボーダーライン』。
第91回ちばてつや賞期待賞を受賞後、ヤンマガUSAコンペに掲載したところ、コンペに通り掲載が決定!

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岩井敬人氏 プロフィール
青森県出身。趣味は映画鑑賞で、猫派。
前職は医療関係であったが、精神的な不調で休職し漫画を描いてみたところ、メンタルが回復したため今でも描き続けている。好きな映画は『ボーダーライン』。
第91回ちばてつや賞期待賞を受賞後、ヤンマガUSAコンペに掲載したところ、コンペに通り掲載が決定!

岩井敬人氏に直撃! ちばてつや賞と連載化を目指すためのポイント!
Q1: 読切や連載の1話目の企画を作るうえで、大切にしていること、意識していることはありますか?
A.担当編集者さんの受け売りになりますが、今回連載企画の1話目コンペに参加させて頂きネーム修正を重ねる中で、漫画のストーリー、特に主人公を中心としたキャラの魅力や目的を読者の方に画でしっかりと分かり易く見せる事がとにかく重要だと感じました。今当初出したネームを読み返すと自分はそれが全く出来ておらず、ようやく担当さんからネームのOKが出た時には主人公以外のキャラはすっかり全部変わっていました。

Q2:『Project Metallia』では近未来SF設定のマンガを描かれていますが、この企画を描くきっかけなどはあったのでしょうか。
A.丁度2作目の漫画を描いていた時に、担当編集者さんからヤンマガUSAのネームコンペに参加してみないかというお話を頂いたのがきっかけです。もともと描いてみたかった話が2つあり、その内の一つがこの『Project Metallia』です。担当さんからは「どちらの企画で進めますか?」と言われ迷いましたが、自分は物語のラストが自分の頭の中である程度決まってないと話を作れないタイプなので、ラストがある程度定まっていたこの『Project Metallia』を選択しました。もう一方の作品もラストのイメージが固まったらネームにしたいと思っています。
Q3:SF漫画を描くうえで岩井さんの考える一番大事なところを教えてください。
A.浪漫です。すみません。短絡的だったので補足しますと、基本的にはSF本来の意味であるサイエンスとフィクションのバランスをいかに描けるかを意識しています。そのなかで、読者が浪漫を抱くような「近未来」や「ポストアポカリプス」などを描いています。最近はSFと称した「スーパーナチュラル」多いようにも感じるの、そこの棲み分けも気を付けています。

Q4:岩井さんによる人物の状態を表す比喩表現はとても独特ですが、表現において注意していること、大切にしていることを聞かせてください。
A.独特なんでしょうか。初めて言われました。それっぽい事を言えれば良いのですが、今回受賞した『インベーダーゲーム』という作品が初めて描いた漫画という事もあり、自分が描きたいものを好き勝手に描いただけなので正直何とも‥‥。強いて挙げるなら年代関係なく、誰が読んでも分かる表現を意識したつもりです。実際そうなっているかどうかは分かりませんが。
Q5:『インベーダーゲーム』のなかで、ご自身が一番気に入っているカットやシーンを教えてください。また、今後掲載される『Project Metallia』の内容を読者にチラッと先行公開を....!
A.主人公タマが友人の言葉で、自分で自分を不幸だと決めつけていた事に気づくシーンです。このシーンは当初漫画を完成させた時点では無かったもので、持ち込みをして今の担当編集者さんにフィードバックを頂き
手直しして出来たシーンなので、個人的に思い入れが、深いシーンです。後は主人公タマが胴体から外れた自分の頭部を両手で拾い持ってるカットと相棒のマシマロに激ギレして両耳を引っ張ってる小さいカット、さらにそれを敵宇宙人にたしなめられキレてる所です。個人的にはタマを可愛い顔に描けたと思ってます。『Project Metallia』は近未来の月が舞台となるSFアクション漫画です。敵対する某国の月面領土内で起きた核融合発電所の爆発事故直後、突如失踪した連邦軍の科学者ソフィー・荒川を捜す為に雇われたサイボーグ兵士ダニエル達は、ソフィーを追う中で謎の敵と遭遇し‥‥といった感じでしょうか。是非読んで頂けると嬉しいです。

Q6:作品作りで苦労されること、悩むことを教えてください。
A.とにかく自分はセリフが多くなりがちなので、ナレーションやセリフをどう減らすかで良く悩みます。今回賞を頂いた『インベーダーゲーム』も50ページ位で収まるだろうと思って作ってみると、ページが多くなってしまったりと、情報量と文字量のバランスで悩みます。
Q7:マンガを通して読者に届けたい、伝えたい思いは何ですか。
A.正直、自分の興味のある事や面白いかもと思った感じた事、こんなキャラやストーリーを描きたいと思ったものを漫画に落とし込んでるだけなので、ひょっとしたら自分にはそういう思いとか希薄なのかもしれません。ちゃんと言語化しようとすればあるのかもしれませんが今は思いつかないです、すいません。
Q8:現在連載作品へ挑戦されているそうですが、読み切りと連載とのあいだにどのような違いがありますか?
A.正直まだ良く分かっていませんが読み切り作品が一本の映画を作るのだとすると、連載作品は連続ドラマを作る感覚なのではと。今回連載用作品用のネームを担当さんと一緒に作る中で、読者の方が必ず2話目を読みたくなるような強い惹きを作る事や、主人公と一緒に物語を旅をしたいと思って貰える魅力的なキャラクターを作る事が強く要求されると実感しました。
Q9:これからの作品への意欲を聞かせてください。
A.連載を獲るのは勿論ですが、とにかく自分は描くスピードがとても遅いのと、話を短いページ数でまとめるのが苦手です。なので面白い短編(読み切り)をコンスタントに描けるようになるのが今の目標です。
Q10:これからちばてつや賞に応募を考えている方へ一言お願いいたします。
A.これはあくまで私個人の考えですが、応募を考えていらっしゃる人は事前に作品を持ち込みして、編集者さんからフィードバックを頂くのが良いのかと思っています。自分は今回、たまたまちばてつや賞に応募する前に持ち込みをして、今の担当さんから自分の漫画に足りない部分(キャラ・ストーリー・演出・変化など)や読者の方にもっとに見せるべき部分などを知る事が出来、そこを修正した上で賞に応募できました。それがとても大なアドバンテージだったと思います。フィードバックを貰ってなかったら自分の弱点に気付いていないままだったかもしれないですし、100%受賞出来ていなかったと思います。特に自分のように初めて作品を完成させた方はとりあえず作品を一度持ち込みをして編集者さんに見て貰うのが良いんじゃないかなと。こういう言い方はアレですが、なんせ今、世に出ている作品をプロの漫画家さんと一緒に作ってる編集者さんにタダでフィードバック頂ける訳ですから‥‥。編集者さんには貴重な時間を割いて頂く事になりますが、漫画家を目指す側からしたら持ち込みはメリットしかないと思ってます。自分もまたちばてつや賞に応募するのでお互い頑張りましょう。
ありがとうございました!
ちばてつや賞・月間賞はデビューへの近道!
ヤングマガジン編集部は力強い作品をお待ちしております!