『頭文字D Finalステージ』で北条凛のBNR32と激闘を繰り広げた高橋涼介のFC3S。
その再現プロジェクトも、いよいよ大きな節目を迎えた。

ロータリーの神様ことRE雨宮のアマさんがオーバーホールを手掛けた13Bロータリーターボが完成し、レストアを終えたボディへ搭載される日がやって来たのだ。

これまで別々に作業が進められていた"魂"と"器"。
この瞬間から、白き彗星は再びひとつのクルマとして形を取り戻していく。
 

■ 白き彗星の器が完成する


まず目に飛び込んできたのは、修復を終えたボディの美しさだった。
37年という歳月を感じさせた錆や腐食は姿を消し、エンジンルームは新車と見間違うほどの状態まで蘇っている。

まさにホワイトボディから再出発したと言っても過言ではない。
これまで連載で見てきた経年劣化が嘘のようだ。
 
ホワイトボディ化されたFC3S。長い年月を感じさせた傷みも修復され、白き彗星の器が完成した。
 

■ 13Bロータリーターボ、搭載開始


この日最大の見どころは、完成した13Bロータリーターボの搭載作業だ。
傷ひとつ許されない真新しいエンジンルームに対し、スタッフたちは慎重にエンジンを降ろしていく。
チェーンブロックに吊られたロータリーエンジンがゆっくりと降下していく光景には、独特の緊張感が漂う。
搭載作業そのものはRE雨宮にとって特別なものではない。

しかし今回の車両は違う。
再現するのは単なるFC3Sではなく、高橋涼介が最後に辿り着いた"Finalステージ仕様"。
だからこそ、ひとつひとつの工程に特別な意味が生まれる。

アマさんが組み上げた13Bロータリーターボを慎重に搭載。白き彗星に再び魂が宿る瞬間だ。
 

■ 仕上がり始めた涼介FCの心臓部


エンジン搭載後は補器類の組み付けが進められていく。
アマさんがエンジンを組み上げている間も、補器類は並行して点検・洗浄・リフレッシュ作業が進められていた。
そのため、組み上がったエンジンルームは統一感があり、まるで最初から完成形だったかのような仕上がりを見せる。

原作では詳細が描かれなかった涼介FCの心臓部。
しかし現実世界では、一つひとつのパーツに意味があり、そこにはRE雨宮の経験とノウハウが注ぎ込まれている。

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補器類の装着も完了。エンジンルームは一気に完成形へ近づいていく。
 

■ 見えない部分にも妥協はない


電装系やブレーキ系のパーツもリフレッシュされた。
目立つ部分ではない。
だが、高橋涼介の公道最速理論は、こうした見えない部分の積み重ねによって成立する。
派手なパワー競争ではなく、トータルバランスを追求する思想。

その考え方は、現代の『MFゴースト』にも通じる。
細部まで手を入れる姿勢こそ、このFCに求められる条件なのだ。
配線やブレーキ周辺もリフレッシュ。完成後には見えなくなる部分にも手を抜かない。
 

■ コクピットにも"涼介らしさ"が宿る


室内ではメーターパネル製作も進行していた。
ドライバーが最も長く向き合う場所だからこそ、その再現にも妥協は許されない。
まだ完成形ではないが、徐々に涼介FCらしい空気が生まれ始めている。
コクピットに座り、メーター越しに前を見る日もそう遠くない。
メーターパネルの製作も進行中。涼介FCのコクピットが少しずつ姿を現してきた。
 

■ 完成は目前


エンジンが搭載され、配管類もレイアウトされ始めた。
長かったレストア工程は、いよいよ終盤へ突入する。
とはいえ、まだ駆動系やサスペンション、細かなセッティング作業が残されている。

白き彗星が再び走り出すには、もう少しだけ時間が必要だ。
だが確実に言えることがある。
あの日、箱根の夜を駆け抜けたFC3Sは、いま現実世界で再び命を吹き返そうとしている。

エンジン搭載を終えた涼介FC。完成まであと一歩。白き彗星の再誕が現実味を帯びてきた。
 

次回予告


すべてのパーツが組み上がり、ついに完成形が見えてきた高橋涼介FC3S。
次回はいよいよ最終章。

白き彗星、ついに完成。
RE雨宮が現実世界に甦らせた"Finalステージ仕様FC3S"の全貌をお届けする。

クレジット
撮影協力 大島自動車
有限会社アール・イーアメミヤ HP: http://www.re-amemiya.co.jp/
Photo:山本佳吾
Text:武井寛史(『MFゴースト』『昴と彗星』ドライビングアドバイザー)