本日連載スタートした『釣りキャバ日誌』を読んで「釣り」に興味を持った方。
『釣りキャバ日誌』はまだ読んでないけど、釣りははじめてみたくて、でも何からはじめれば良いのか分かんない‥! とお困りの方。
とっておきの、釣りの入門ハウツーコラム、ありますよ‥!(小声)
釣り道具の総合メーカーDAIWAの元社員で現在、全国各地の釣りを研究している大川雅治(おおかわ まさはる)さんに「初心者向けの釣り」について写真付きで詳しく、分かりやすく解説していただきました。
今回は、『釣りキャバ日誌』第1話目で出てきた、船釣りでの“カワハギ”です!
「エサ取り名人の魚」。
その愛称で親しまれているカワハギは、関東の船釣りの中でも人気の魚です。
人気の理由は、「食味」と釣りの「ゲーム性」にあります。
醤油に新鮮な肝を溶かした「肝醤油」で食べるお刺身がカワハギ料理の定番ですが、ほかにも煮つけ、鍋物等々、釣りたてでしか味わえない美味しさが魅力です。
カワハギのお刺身。醤油に溶かした肝を薄く切った身で包んで食べる
釣りとしての面白さは、「釣れそうで釣れないところをいかに釣り上げるか」に集約されます。
一見ベテラン向けの釣りに思われますが実は釣り初心者、船釣り入門者に最も適した釣りなのです。
魚自体はエサに対して貪欲で、エサにかじりつくまでは初心者もベテランも同じ土俵です。エサにかじりついた魚をいかに針に掛けるかがテクニックになります。
そのテクニックの内訳は「一に針、二に仕掛け、三に餌付け、四に竿リール糸、五に誘い」。コラム第一回目の今回は、関東の船でのカワハギ釣りを紹介します。
【一に針】
カワハギ釣りにおいて最も重要なのは、針の鋭さ。カワハギがエサを突っつくだけで針に刺さってしまうほどの鋭さが理想です。カワハギ釣りの競技では、一匹釣れたら新たな釣り針に変え、釣れなくても数時間使用した針は交換するので、一日の釣りで10本以上使用します。針交換を怠らないことが釣るための条件の一つになります。
針の鋭さが少しでも鈍くなったら、替え針(右写真)を付け替えるのがポイント
【二に仕掛け】
仕掛けは、3本針でおもり25~30号。仕掛けの全長は1m以内、一番下におもりのある胴付き仕掛けで、上部に集魚目的のキラキラ光る金属板やビーズを取り付けます。アクセサリーによって好奇心の強いカワハギを呼び込むこと、その重さによって海中で仕掛け全体を寝かせたり、振動させたりできます。
仕掛けの選定は、天気や潮の流れ、魚の活性などの条件により異なるので、いくつか試しながら決めることになります。
関東では25号、30号の集魚効果の高い形状、色のおもりがある(左)
集魚版、ビーズにも様々な形状・重さがあり、釣行では数種類用意しよう(右)
【三に餌付け】
エサはアサリのむき身を使います。鋭い針にちゃんとエサが付いていれば、極端な話、誰でも釣ることができます。餌付けはカワハギ釣りの重要テクニックなのです。
その付け方は、
アサリの水管を横に刺す
次に足(ベロ)を縫い刺す
最後に黒いワタの部分に針先を埋めて丸い形にする
むき身アサリはヌルヌルしているので海水で洗ったり、塩で身を締めたり工夫をしている名人が多くいます。3本の針に素早くエサを付けることができれば、釣り船の平均釣果はクリアできると思います。
後編に続く!