頭文字D』の系譜を継ぐ新公道最速伝説『MFゴースト』。その担当者であるにも関わらず、クルマのことをまったく知らない若手編集者ウワイ。そんな彼の力になるべく、クルマライター・アンドーが立ち上がった。クルマと、クルマを通じた“モテ道“を学ぼうとする男の成長物語、第20回!


※こちらの記事の情報はヤングマガジン2021年32号発売時のものです


第20回 ウワイ、国産高級スポーツに憧れる!の巻


入社4年目の若手編集部員ウワイ。
これは、時代の波に乗れない彼がクルマを乗りこなすまでを描いた物語である――。


〜登場人物紹介〜

・ウワイ
ヤンマガ編集部期待(?)の3年目編集で、『MFゴースト』の新担当。勉強はできるがクルマのことはさっぱりという“さとり世代”。 


・クルマライター アンドー
自動車メディア業界で暗躍するフリーの編集ライター。風貌も発言もうさんくさいが、クルマに関する知識やクルマ愛は本物。

【あらすじ】「お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません! 」といっちゃうくらい久々のクルマ紹介! 今回は前園が第2戦から駆る国産スーパーカー・NSX!! そもそもこんなの買えん!変えるヤツは他にモテグルマを所有している気がするが、そんなことは気にしたら負けだ! 行ってみよー‼

アンドー
オッス! ウワイくん、モテてるか?
ウワイ
相変わらずです。新型コロナのせいでモテません。
アンドー
出たな、何でも新型コロナのせいにするやつ!
ウワイ
だって新型コロナのせいで、女子との出会いの場である会食ができないじゃないですか〜。
アンドー
ふん、なにも出会いはコンパや飲み会がすべてじゃない。会食ができなくてもいい男はモテる。同じように、今買えなくても人気のあるクルマがある!
ウワイ
え、まさか、今日乗らせてもらうクルマって、売ってないんですか?
アンドー
そう、この国産スーパーモデル・NSXは、現在2020年モデルの販売が終了してしまい、買えないのだ!

ホンダ NSX 2420万円
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時代に合わせて進化を遂げた国産最高峰のスーパースポーツ
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伝説の和製スーパーカーが、2017年に復活。先進的電動化技術が搭載されている
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コンセプトは「人間中心のスーパースポーツ」で、運転の快適性にもこだわっている
ウワイ
な‥‥なんと、買えないクルマ目の前に!
アンドー
買えないと言っても生産終了したわけではなく、在庫がないという意味だぞ。
ウワイ
なるほど、では、買いたい人は、買えるようになるのを待ちましょう! (笑)
で、ついにNSXですか。伝説の日本車ですね。
アンドー
お、君も知ってたか。日本が誇る名車だよ。見よ、この低さ、この幅広さ、そして前傾姿勢、これこそミッドシップ・デザインの真髄!
ウワイ
超かっこいいです! 海外のスーパーカーみたいですね。
アンドー
そう、何かに似ているとかいろいろ言われるけど、やっぱりカッコいいんだよね、この全体のスタイルングのバランス感。
ウワイ
顔もシャープでキリッとしてますね。
アンドー
たしかに。最近のホンダのファミリーフェイスに通じるところがありながら、スーパーカーらしく、グローバルな雰囲気を漂わせているよな。実際、アメリカの工場で生産されているわけだし。
ウワイ
おお、米国産でしたか。そういえば、「MFゴースト」にはまだ出てきてませんが、新型コルベットも似た感じのスタイリングになりましたね。
アンドー
新型はMR(ミッドエンジン・リアドライブ)化されたからね。アメリカの象徴でさえ、似てきたんだから、これからのスーパーカーは、いかに個性を出すかで勝負する時代になるんじゃないか。
ウワイ
なんでみんなMRにするんですかね。
アンドー
このNSXはミッドシップだけどMRではないよ。
ウワイ
へ、後輪駆動じゃないんですか?
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重量物である3.5L V6ツインターボエンジンを、ボディのほぼ中央に位置することで高い運動バランスを実現している
アンドー
ベースはリアドライブだけど、走行中に3つの電気モーターが走りを強化するハイブリッド式の4WDだ。
ウワイ
うへー、なんだかハイテクなんですね。デザインも最先端に見えてきました!
アンドー
実際にハイテクデザインだよ。もちろん空力だって完全に計算されているし、ボディはアルミを多用したスペースフレーム構造だし、動的な性能も、安全性能も、すべてにおいてハイテクだ。
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最新の空気力学を取り入れたボディデザイン。サイドウインドウ後方には隙間があってここを風が通り抜ける構造
ウワイ
え、ボディはアルミでできてるんですか? まさかリサイクルのため?
アンドー
軽量化のためじゃい!
ウワイ
けどなんだか、運転しやすそうじゃないですか!
アンドー
そう、運転しやすい。ハイテクの塊だけど、クセがない。これは初代もそうだったんだけど、走らせるのに特殊技能が必要ないスーパーカーなんだ。
ウワイ
ほほほ、ほんとーだ。このボクでも車高が低すぎる以外、気にせず運転ができるなんて〜!
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1990年に発売された初代モデルでも話題になったエンジン後方に設けられたトランクススペース。狭いけど、あるだけでもすごい!
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車内にも収納スペースはほとんど存在しない。ユーティリティよりなにより、「走ること」を一番に考えたクルマなのだ!
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上下がちょっと平らになっていて、とても操作しやすい形状に設計されたステアリング。
「素材の革も手になじむ感じでした!」(ウワイ)
アンドー
もちろん、一般道じゃ体験できないレベルのスピードを出せば、限界領域だって世界トップレベルだからね。
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中央4本出しのマフラーが個性的で超スポーティ! ボディ後方下部は上へ迫り上がっていて、この形状が空力をコントロールしダウンフォースを獲得する
ウワイ
か、完璧なクルマじゃないですか! まさに僕が目指している姿です! 「仕事も女もばっちり完璧な男」のクルマ版。これボク買っちゃいましょうかね。
アンドー
いいと思うぞ。確実に将来のクルマ遺産になるからな。ま、2400万円だけど。
ウワイ
‥‥た、高い!
アンドー
そうなんだ。いま日本車で一番高いクルマなんだ。けどさ、『MFゴースト』の作中で前園がシビックタイプRからこれに乗り換えてるじゃん。
ウワイ
そうですね。
アンドー
いったい前園ってどんな仕事をしてるんだろうか? (笑)
ウワイ
たしかに。他の参戦車も高いといえば高いですが、前園のNSXはハイブリッドシステムをはずす改造までされていますからね。
アンドー
それは金かかってるな! けどあの髭面だ、きっとまっとうな会社員ではあるまい(←偏見)。いちファンとして、今度、前園のスピンオフが読みたいぞ!
ウワイ
実現可能性はわかりませんが、今後の前園の活躍とスピンオフに期待しましょう(笑)。


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