頭文字D』の系譜を継ぐ新公道最速伝説『MFゴースト』。その担当者であるにも関わらず、クルマのことをまったく知らない若手編集者ウワイ。そんな彼の力になるべく、クルマライター・アンドーが立ち上がった。クルマと、クルマを通じた“モテ道“を学ぼうとする男の成長物語、第5回!

※こちらの記事の情報は2019年ヤングマガジン2/3合併号発売時のものです

第5回 ウワイ、日本の伝統的スポーツカーを堪能!の巻


この春入社したばかりの若手編集部員ウワイ。
これは、時代の波に乗れない彼がクルマを乗りこなすまでを描いた物語である―――


〜登場人物紹介〜

ウワイ
ヤンマガ編集部期待(?)のルーキーにして、『MFゴースト』の新担当。勉強はできるがクルマのことはさっぱりという“さとり世代”。 


・クルマライター アンドー
自動車メディア業界で暗躍するフリーの編集ライター。風貌も発言もうさんくさいが、クルマに関する知識やクルマ愛は本物。


前回、マツダのアクセラスポーツでディーゼルを学んだウワイ。その時体験した"パコパコ"こと、パドルシフトに大感動!もっとパコパコしたいウワイにアンドーが用意したのは "レディ”だった!
 
ウワイ
師匠、本日は僕のリクエストでパドルシフト付きのスポーツカーを借りてきていただけたとのこと。して、この低くて幅広いモデルはなんですか?
アンドー
うむ。このロー&ワイドの権化のようなクルマこそ、我が国、日本が誇る名機『フェアレディZ』だ。
ウワイ
おお、これが噂の……ん、直訳すると「Z貴婦人」ですか。なんだか最終兵器で武装したデビ夫人みたいですね。



今回の試乗車


日産 フェアレディZ 390万7440〜640万1140円
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日本車の歴史とともに歩んできた北米テイストのスポーツクーペ
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迫力のフロントに対して、シャープな雰囲気のリアまわり。なだらかなルーフラインが美しい!
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ついに伝説の名車に初試乗!
「死んだじっちゃんにも自慢できます!(←死んでない)」(ウワイ)

アンドー
無知はともかく、このクルマを愚弄してはイカンぞ。Zの初代モデルといえば、70年代当時、アメリカで大人気のポルシェに対抗できたスポーツカー。その人気は伝説的で、いまだに北米では「ズィーカー」と呼ばれて、熱心なファンも多いと聞く。
ウワイ
それは凄い。日本でも人気が?
アンドー
当たり前だ。『湾岸ミッドナイト』のアキオも乗ってたし(初代)、西部警察の団長も(2代目)、何を隠そうオレも若い頃乗ってた(4代目)。
ウワイ
架空の人物ばかりじゃないですか! あ、師匠は実在してるか(笑)。で、肝心の性能はどうなんです?
アンドー
ポルシェのようなピュアスポーツではなく、どちらかといえばロングツーリングを楽しむGTカーだな。
ウワイ
ワインディングより最高速って感じですか。
アンドー
うん。歴代どのモデルもハンドリングカーという印象は薄くて、どちからといえば「直線番長」的だから、最高速仕様にチューニングするオーナーも多い。
ウワイ
見た目もアメリカの西海岸あたりをブッ飛ばすのが似合いそうな雰囲気ですね。なだらかな屋根のラインと長めのフロント部が特徴でしょうか。
アンドー
その辺は初代モデルをモチーフにリデザインしたもので、全体的にレトロ&モダンな雰囲気が打ち出されていいてカッコいいよな。あとこのクルマで忘れちゃならないのが、このV6エンジンだ。
ウワイ
V6ですか。僕はどちらかといえばカミセン派ですが、とにかく凄そうなエンジンですね!
アンドー
簡単に言えば6つのピストンがV型に並んだもの。排気量も3.7リッターでとにかくパワフルだ。早速、エンジンをかけてみたまえ。
ウワイ
……ブロロロォォォーンッ!(エンジン音) おお、すごい迫力!
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アンドー
だろ。マッチョなアメリカ人が惚れてしまうのもわかるよな。走行中のエキゾーストノート(マフラーから出る排気音)も気持ちいいぞ!
ウワイ
ボディブローをくらったかのように腹に響いてきますね。
アンドー
本当はくらったことないくせによくわかるな! アクセルを床まで踏み込めばホイールスピンだってできちゃうぜ。タイヤが減ったらヤダから今日はやらないけど(笑)。
ウワイ
実際、乗り出してみると、ハンドルはけっこう重いですね。
アンドー
重厚感があると言いたまえ。とはいえ、コーナリングスピードも決して低くないし、峠をスポーティに走れないわけじゃないんだぜ。
ウワイ
腕を磨けってことですか?
アンドー
それもあるけど(笑)、スポーティ以上にラグジュアリーが売りのクルマだから、ATでもいいっちゃーいいのよ。シフトダウンする時に自動でヒール&トゥ(MT特有のペダル操作)してくれる「シンクロレヴコントロール」が付いたMTもあるから、MTで運転しても楽しいけどね。
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高級クーペらしい雰囲気のあるコックピットまわりは、ゴージャスな本革など高級素材で包まれている。
「あまりせかせかせずにゆったり走るべし!」(アンドー)
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ATは7速に区切られており、マニュアルモード付き。シフトレバーの前後操作でも、パドルでも、好きな方でシフトチェンジできる。

ウワイ
僕はATでゆっくり直線だけ走って楽しむことにします。
アンドー
賢明だと思うよ。だってキミAT限定免許だし。



フェアレディZの歩み

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1969年 初代フェアレディZ誕生
2シーターオープンモデル『フェアレディ』の後を受けつぐ形で登場したのは、本格的な走行性能を持つスポーティクーペだった。
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1978年 サイズアップした2代目
初代の成功を受け、キープコンセプトでモデルチェンジ。多少大型化したものの、細部を煮詰めて、よりメカニカルな雰囲気に。
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1983年 未来的なスタイルとなった3代目
先代モデルからイメージを方向転換し、直線基調のモダンなデザインに。半目タイプのリトラクタブルライトも特徴的だった。
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1989年 4代目は国産車初の280馬力を達成
バブル期に開発されたモデルで「日産車史上最高に開発費がかかった」とも言われる。内外装、装備など豪華絢爛なつくりが話題に。
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2002年 スポーツカー冬の時代に登場した5代目
2年間の空白期間を経た後、待望の復活! 初代モデルのイメージを現代に甦らせ、ボディタイプは2シーターのみで登場した。

2008年 現行型はデザインがアグレッシブで流麗に
→5代目モデルの進化・発展型で、今回の試乗車。


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