好評を博した、『漫画評録ムーディ』が、連載に向けてリニューアルスタート‼

その名も……

「ムーディ勝山のマンガレビュー録」

ヤンマガ作品を、右から左へ……縦横無尽に語ります。



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「倒していいですか?」と言えずに新幹線の座席は直角のまま目的地に向かう、でおなじみムーディ勝山です。このコロナ禍に新しいことを始めた方も多いんじゃないでしょうか?料理を始めた人、新しい趣味を始めた人、動画配信にチャレンジする人もいました。多分に漏れず、僕も始めたものがあります。
 

トランペットです。

 
そうです。芸能界では桑マンさんしかいないポジションのトランペットです。実は、サックスを始めた先輩に「一緒にサックスやらへん?」と、お声をかけていただき快く承諾したんですが、ネットで楽器を色々調べているうちに「トランペットの方が面白そうだな」と思ってしまったのです。「サックスより持ち運びできるから営業にも持っていけるよな」と、勝手に判断しトランペットにしました。

……麒麟の川島さん、すみませんでした。だって「キカイダー01」の崖の上からトランペットで登場するやつできるんですよ? 音色先行のやつ! 他にもラッパのマークの正露丸のCMとか、必殺仕事人のテーマとか、ウルトラクイズのテーマもトランペットだそうです。しかし……川島さんは既にサックスで動画配信に参加したり、CD作成に参加して自分の曲を配信したり、もうサックスを「お金」に錬金してるんです。


しまった……!! サックスをやるべきだった……。


売れっ子の川島さんの後を影のようについていけば、なんかしらのおこぼれ仕事を貰えたかもしれないのに! 後をついていくべきでした。影のように……そして、忍者のように……
ということで、今回は『アンダーニンジャ』を紹介させていただきます。


 
↑ ヤングマガジンで絶賛連載中の『アンダーニンジャ』(著:花沢 健吾)

いやー、半ば強引に『アンダーニンジャ』まで持っていきましたね。僕も4巻まで揃えている大好きな作品です。でも実は、編集さんから次に扱う作品として『アンダーニンジャ』を提案されたときに、


「花沢健吾先生だし、めっちゃ面白い作品なのはもう読書の皆さんも分かってるからあえて紹介しなくてもいいんじゃないですか?」


と言わせて頂いたんですが、編集さんが鼻息荒く


もっと多くの人に読まれなきゃいけない作品だと思っておりますので!」


と、熱い気持ちを鼻息にのせて届けてくれました。確かに。『アンダーニンジャ』を読んでいない人生なんて、もったいなさすぎる。

タイトルにもあるように、本作は忍者漫画です。前作でも「ゾンビ」を扱ってくれたり、男の子がワクワクしかしないやつを題材にしてくれてありがとうございます。

作品をざっくり説明すると……

忍者は戦時中もずっと存在していて、諸国の脅威になるほどの活躍をしていた。が、戦争終結後にGHQに解体される。消滅したかのように見えた忍者だが、あらゆる組織に潜伏し極秘裏に忍の技を発揮していた。作中のセリフに「石を投げれば忍者に当たる」というぐらい日常にも忍者がいる日本。その数なんと約20万人……。

これだけでも、もう既に面白そうなんですが、下手なりに4つポイントを挙げさせて頂きます。
 

ポイント①『漫画家にしか描けない漫画』

物語を分かりやすくするための解説っぽいシーンがあまり無いんです。北野映画じゃないですが、説明セリフが無いからリアルな世界観が出ているんじゃないでしょうか。任務1つとっても少年誌なら親方に呼ばれて「裏山に住む化け物を退治してまいれ」とか、投げつけられたクナイについた紙に任務が書いてあって、、、だと思うんですが、アンダーニンジャはそんなん一切ないです。届いたダンボールに服が入ってるだけ。この服が入ってるってことは、あそこに潜入する任務なのかな…と、脱出ゲームしてんの?っていうぐらい少ないヒントから任務を読み取ります。このセリフの少なさや、アクションシーンなんかも多いせいか、知り合いの漫画作家さんが「こんな原作は絶対に書けない」とおっしゃっていました。セリフのこともありますが、パルクールを駆使したようなアクションシーンや、絵の面白さは原作の時点では表現しにくいんでしょうか。今では作家と漫画家の二人で漫画を作るパターンは多いですが、一人の漫画家さんが頭の中で作り上げたものをぶちまけてくれている世界観は読んでいてゾクゾクします!

 
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↑ 段ボールひとつから忍務を推測!



ポイント②『現代忍者の忍具』

現代ならではの忍具が沢山出てきます。これがワクワクします!この忍具を考える会議があるなら参加したいぐらい。現代の最新鋭の忍服や手裏剣。そして忍者の世界観を描く時に「忍犬」が出てきますよね? ハットリくんで言うところの獅子丸です。4巻にその現代の忍犬らしいものが出てくるんですが、これまたとんでもない相棒が登場しました! やりましたね、花沢先生! くーっ! これからこいつとタッグ組んで戦うシーンとかあるの!?と、ワクワクし過ぎて家の中でスキップしましたよ、僕は。
 

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↑ 最新鋭の忍具が満載!



ポイント③『頼んだらヤらしてくれるんじゃないだろうか? と思わせてくれる魅力ある女性キャラ』

花沢作品の女性キャラは凄く魅力がありますよね。かわいくてエネルギーに満ち溢れていて。そして少し、隙があるように見えるんですよね。あれ? めちゃくちゃお願いしたら、もしかしてイケるんちゃうん?というような隙が(笑) あれ? ハイボール三杯ぐらい飲んだらイケるんちゃう? そんな隙がある女性に男はドキドキさせられます。結局イケないんですけどね(笑) そんな夢を見させてくれる魅力のある女性キャラが『アンダーニンジャ』にも登場します。大好きです。


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↑ 主人公・九郎の住むアパートの住人、川戸さん


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↑ あまり細かいことは気にしない、大らかな性格だ


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↑ ムーディさんにも、快活で奔放な女の子にビールを渡したい時がある
 


ポイント④『ビールを満島ひかりぐらいうまそうに飲む』

僕は花沢健吾先生の漫画の最大の魅力の1つを、「ビールをめちゃくちゃうまそうに飲む」だと思っております!CMの満島ひかりさんを越えています。漫画界でビール最高のシーンはカイジが地下でハンチョウ大槻にもらって飲んだ「スーパードライ135mlのミニ缶」がトップ、との呼び声が高いですが、それに並ぶぐらいうまそうに缶ビールを飲みます。アパートの隣に住んでいるおじさんが、実家から送ってもらった「ナスの漬物」や「渋皮煮」や「梅酒」という美味しそうなグルメも登場するので、グルメ漫画好きも必見です!
 

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↑ 不登校でも関係なく、ビールは美味しい


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↑ 九郎の隣人・大野さんのお母さんが漬けたおいしいナスの漬物も登場





ということで、以上4つのポイントを挙げさせて頂きました。

『アンダーニンジャ』は今も繰り返し読ませてもらっています。説明も少ないので、謎が多いんですよね。初期のワンピースより伏線が多いかもしれません(笑) そこを考察するのも凄く楽しいです。タイトルの『アンダーニンジャ』の秘密も段々分かってきてますし、忍者同士の戦いも増えてきました。もしタイムマシーンがあったら、『アンダーニンジャ』が完結している未来に飛んでいきたい。でもそんな未来は無いので、とりあえず僕はトランペットを練習したいと思います。




~~~~~~~~おまけ~~~~~~~~

主人公・九郎が部屋で吹き矢の練習をするシーンを、ムーディさんに再現してもらいました。


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つづく。



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今回紹介された『アンダーニンジャ』をさっそく試し読み!
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