シリーズ3作目の今でも不動の人気を誇る『彼岸島』。作品を読み込んでいるうちに、どうしても気になってしまった点をとことん追求する連載がこの「月曜日の彼岸島」です。

ここでは過去の人気記事を再掲載します!





ある日、『彼岸島』担当編集者がポツリと呟いた。

 「もしかして『彼岸島』では吸血鬼になったほうが幸せなんじゃない?」

 たしかに勝手気ままな吸血鬼たちは、ヤりたい放題で人間から見ても楽しそうだよなァ‥‥。
よし! 『彼岸島』勝手に検証委員会の出番だ!! ハァハァ。

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■検証方法 


本土の吸血鬼と人間の暮らしを「生活環境」「食」「娯」で比べて、どっちが楽しそうかを判定してみる。


生活している環境を比べてみよう!


本土の吸血鬼が人間から奪い取った家屋で好き勝手に暮らしているのに、人間は人里離れた小屋や地下鉄の駅に身を潜めるクソみたいな生活を強いられている。今の本土では比べるまでもなく、吸血鬼のほうが人間らしく生きているのだ! クソったれ!!

吸血鬼の「生活環境」!

吸血鬼たちの生活環境を脅かす災難のひとつに「ある男」がいる。

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それが彼岸島からやってきた男・宮本明。ふらりと現れては吸血鬼を皆殺しにする、迷惑千万な男である。



人間の「生活環境」!
複数人が集まれば、他人を犠牲にするのが人間というもの。自分たちが生き残るためなら、嫌がる仲間を生贄に捧げることも厭わない! コイツら、クソ野郎になりさがってやがる!

人間の住居には、吸血鬼夜襲は当たり前。アマルガムが用もないのにやってきて、殺しを楽しむ理不尽な出来事が起きることもある。



「生活環境」判定:安心して生活したいなら吸血鬼になるのがマジ卍。


吸血鬼も大満足な「食生活」!


 吸血鬼の食事といえば、とっ捕まえた人間から吸う生き血。彼らは定期的に血を摂取しないと邪鬼になってしまうので、生きるために血は必要不可欠な「」のひとつなのだ。そんな血をいつでも新鮮なうちに堪能できるようにした「吸血樽」は、まさに吸血鬼の叡智の結晶である!
 一方、吸血鬼に占領された本土では、人間は慢性的な食料不足。街の居酒屋跡などに当時の食材が残っているとはいえ、それを手に入れるのは至難の業。「食生活」では吸血鬼に勝てねェよ!!

吸血鬼の「食生活」!
彼岸島生え抜きの古株・吸血鬼から伝えられた技「吸血樽」。捕らえた人間をその場で樽詰めにするなど、本土には凄腕の吸血樽マイスターがいるようだ。絞った生き血を枡でいただいてるらしいのが通っぽい! 

せっかく作り置きした「吸血樽」をぶっ壊す、吸血鬼にとっては迷惑極まりないクソ野郎も。血の枯渇は死活問題だけに、クソ野郎への憎しみや怖れは募るばかり。


人間の「食生活」!
家族単位の少人数で隠れ住んでいる者たちは、コンビニなどの廃墟で食料を探す毎日。いつでも美味しくいただける缶詰は、人間にとっては最高のご馳走だ! 

自分たちで食料を調達できない場合は、地下でネズミを食べるはめに。それも尽きれば、今度は吸血鬼に娘を差し出して食料を手に入れるゲスな行為に走るのが人間だ。



「食生活」判定:吸血鬼にとって「血」は酒も同然! 旨い血が飲める吸血鬼の勝利!!


「娯楽」でストレス発散!


日々のストレス発散に「娯楽」はなくてはならない楽しみ! 血塗られた本土において、それを積極的に実践しているのはやはり吸血鬼。自分たちでお祭りを催したり、最強を決める武闘会で熱狂したりと、やってることはかつての人間とほぼ同じ。それに比べて人間は、娯楽と呼べるのはごく稀にある勝利の宴程度という有様。ストレスが溜まってるから、そうやって人間同士でギスギスいがみ合うんだよォ! また吸血鬼に負けちまった‥‥。

吸血鬼の「娯楽」!
箱根に住む吸血鬼たちは、提灯を飾って謎のお祭りを開催。血を飲んで盛り上がる素敵な時間を過ごしていたが、吸血鬼の都合など一切考えない宮本 明の「ケーブルカー爆走攻撃」がジャストミート!
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吸血鬼の世界を作った雅様参勤交代なんて、一生に一度あるかないかの一大行事! 神々しいまでのお姿に、吸血鬼たちも黄色い歓声をあげずにはいられない!! 素敵な1日になりそうな予感‥‥!?
東都ドームの武闘会姑獲鳥狐(明)の死闘に大興奮。しかもの変装と知ってもなおを応援してしまうあたりは、強い者を好む格闘技ファンの悲しい性質。やりすぎて暴動に発展するあたり、出場者だけでなく観客もまた格闘バカなのだ(笑)。


人間の「娯楽」!
串カツ屋で勝利の宴! 缶詰を肴に酒を飲み、の活躍で得た勝利の喜びを分かち合う! 人間にとっては滅多にありつけないご馳走だ。
池袋のサンジョインでは、アイドル・ユカポンの握手会を開催! めったにない超レアなスペシャルイベントに、ファンだけでなくネズミもデレデレ。ユカポンはマジ大天使!! 



「娯楽」判定:様や満員の東都ドームでアゲアゲな吸血鬼の勝ち!


結果はっぴょぉお~~~~~うっ!



なんと幸福度は吸血鬼の全勝! つまり担当編集者が呟いたとおり、『彼岸島』では吸血鬼になったほうが幸せだったのだ!!


‥‥あ。
我々『彼岸島』勝手に検証委員会は気づいてしまった。
人間の幸せが壊される元凶は「吸血鬼邪鬼たち(あと時々、)」だ。コイツらがいない場所さえ見つかれば、人間も幸せに暮らせるんじゃね!?
 そして‥‥そんな夢のような場所が日本にまだあった。




彼岸島だ!
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、そして吸血鬼たちの多くが本土に渡っている今、彼岸島には人間の脅威となる者は少ないはず。しかも西山の話によると、その彼岸島にはまだ加藤紅葉が残っていて、いい仲になっているらしいだと!! ケシカラン!! 
 そうだ、そうなのだ! 彼岸島こそが全人間にとってのパラダイスだったのだ!!


結果

 
本土では吸血鬼のほうが幸せだけど、日本で一番幸せなのは彼岸島で紅葉とイチャイチャしてる加藤。許せねェ!


最後まで読んでくれてありがてェ!


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