『頭文字D』の系譜を継ぐ新公道最速伝説『MFゴースト』。その担当者であるにも関わらず、クルマのことをまったく知らない若手編集者ウワイ。そんな彼の力になるべく、クルマライター・アンドーが立ち上がった。クルマと、クルマを通じた“モテ道“を学ぼうとする男の成長物語、第16回!
※こちらの記事の情報は2020年ヤングマガジン34号発売時のものです
※こちらの記事の情報は2020年ヤングマガジン34号発売時のものです
第16回 いざ、ウワイのMT腕試し の巻
入社3年目の若手編集部員ウワイ。
これは、時代の波に乗れない彼がクルマを乗りこなすまでを描いた物語である―――
〜登場人物紹介〜
・ウワイ
ヤンマガ編集部期待(?)のルーキーにして、『MFゴースト』の新担当。勉強はできるがクルマのことはさっぱりという“さとり世代”。
・クルマライター アンドー
自動車メディア業界で暗躍するフリーの編集ライター。風貌も発言もうさんくさいが、クルマに関する知識やクルマ愛は本物。
自動車メディア業界で暗躍するフリーの編集ライター。風貌も発言もうさんくさいが、クルマに関する知識やクルマ愛は本物。
【あらすじ】ヤンマガ3年目を迎え、恋に仕事に脂が乗ってきた‥‥こともなく、脂の乗った腹を、切なげに眺めていたウワイ。そんな彼を救うべく、アンドーは彼を呼び出してこう告げた。「その体でモテたいなら、もはやテクを磨くしかない。MTで学ぶんだ…手さばきをな--」というわけでウワイMTに挑戦!

アンドー
おお、ウワイくんに会うの久々だな……。

ウワイ
ええ、コロナ禍ですっかり腹に肉が付いてしまいましたが(笑)、それと同時に、免許証にもあるものが付きました!

アンドー
知ってるさ。裏面の「眼鏡等」だろう?

ウワイ
それは最初から付いてます(笑)。そうじゃなくて、「AT限定解除」っす。これで、ついにMT車が運転できます!

「DTのほうも早く解除すればいいのだがなぁ……」(安ドー)

アンドー
それは喜ばしいな!ま、オレからしたら、なんで最初からMTで取らんのだって感じだが。

ウワイ
あー、それって昭和の感覚ですよ。

アンドー
うっさいわ。てか、ちょうど「MFゴースト」作中で、カナタがシフト操作できなくなってる時じゃないか!

ウワイ
ええ。左手の大切さをより深く知るためにも、実際にAT限定を解除してみたわけです(笑)。ですから、早速、そのMT車を運転させてください!

アンドー
なんだそりゃ。たしかにこのロードスターは、MTテクを磨くには最適なモデルだがな。
今回の試乗車
マツダ ロードスター 260万1500~339万4600円
現行型で4代目となるロードスターは、世界中で絶大な人気を誇る2シーターオープンモデル。

ドライバーのために設計された運転席まわり。

ドライバーのために設計された運転席まわり。

ウワイ
最適とかあるんですか?

アンドー
うむ。軽量なので、運転操作に対して車体が機敏に反応してくれるし、駆動方式がFRだから走行中の挙動の変化が感じ取りやすい。このような「人馬一体」感覚が味わえるようなクルマは他にそうそうないぞ!

ウワイ
では、これを乗りこなせたら一人前ってことですね。

アンドー
うむ。オレも20年前に買って毎夜山道を走ったもんだが……。

ウワイ
はい、そーいう武勇伝とかもういいで~す。早くドラテクを伝授してくださーい!

アンドー
こ、こいつ……。え~、まず、キミはどんなテクニックを身につけたいと思っているんだ?

ウワイ
はい、隣に乗せた女性がうっとりするようなシフト捌きですかね!

アンドー
ふん、MT車のテクニックの代表的なものといえば、ヒール・アンド・トゥ、ダブルクラッチ、左足ブレーキなどがあるが、どれもシフト捌きというより、足使いが大事なのだぞ。

ウワイ
ええ!それは予想外。では、ボクの手の動きを見て、女性が濡れるようなことはないんですね?

アンドー
ない!逆に初心者の手元を見てたら不安になるだろ。

ウワイ
じゃあ、やっぱりAT車でいいかな……。

アンドー
(聞かずに)よし、まずは助手席に乗ってみなさい!
まずは助手席試乗!

ウワイ
こうっすか……。

アンドー
いいか、これが、ヒール・アンド・トゥ!

「中年太りしたからちょっと苦しいぜ!(汗)」(アンドー)

ウワイ
うあ!「ガオンッ!」ってエンジン音がして、シフトダウンがスムーズに!

アンドー
説明くさいセリフありがとう(笑)。そのとおり、シフトダウン時に右足の爪先でブレーキをかけつつ、かかとでアクセルを踏む。エンジン回転を上げることで、回転数を合わせてギアを繋げやすくするテクニックなのだ。

「自分のクルマを買って練習だ!」(アンドー)

ウワイ
し、師匠、申し上げにくいのですが……。

アンドー
なんだ?

ウワイ
もうすこし初歩的なやつないっすかね。てか、ボクはフツーに走る時にもギクシャクしちゃうんですが……。

アンドー
なんだと?それならまずは、クラッチを繋ぐ感覚を足に徹底的に叩き込め、それが出来たら坂道発進だ!

「操作が不自由というより、ブレーキペダルを離すと後ろに下がってしまうことへの恐怖がプレッシャーになって上手くできません!」(ウワイ)
「後方にクルマがいない時に練習せよ!」(安ドー)

「上手く繋がないとクラッチに負担を与えてしまうぞ!」(アンドー)
「プレッシャー与えないでくださいよ(汗)。やっと1速発進が上手くできるようになってきたとこなのにぃぃぃ!」(ウワイ)

ウワイ
ひえぇぇ~、昭和のスパルタ教育だ!しかも地味!

アンドー
そりゃそうだ。大切なのは手より足元だからな。

ウワイ
な、なんだか足がつりそうです!

アンドー
そのとおり。あとは慣れと経験、つまり場数が必要だ。セッ〇スと一緒だな!

ウワイ
そういうことなら頑張らせていただきます!(ビシッ)
ウワイと学ぼう!ロードスターの歴史
・初代ロードスター(1989年)
そのスタイリングと運動性能で世界をあっと言わせた初代モデル。同車の誕生以後、各メーカーから似たオープンカーが次々に発売されることに。
・2代目ロードスター(1998年)
リトラクタブルライトを廃して、固定式ヘッドライトが採用され、流麗で美しいボディラインを実現した。クーペモデルやターボモデル追加されている。
・3代目ロードスター(2005年)
原点回帰で、初代モデルを彷彿とさせる楕円形のスタイリングを採用。ボディサイズは拡大されて3ナンバーに。日本カー・オブ・ザ・イヤーも獲得。

・2代目ロードスター(1998年)

・3代目ロードスター(2005年)
