【相談】

のんびりキウラ （22歳・女性）

私は2年目の女性大工です。
同級生の親の会社に就職したのですが、仕事中どうしても甘やかされているような感じがします。

 

男性比率が殆どの社会で仕事を奮闘する女性が主人公の漫画といえば、
安野モヨコさんの『働きマン』がありますよね。

"男社会"や"男の仕事"みたいな言葉や、"女だから""女を捨てて"みたいな言い方や切り口はちょっと前時代的ですし、

作中での仕事との向き合い方や美学も、なんというか"24時間働けますか"的なブラックな所もあるので、もしや2021年に教科書とはならないかもしれませんが、

漫画として超名作なのは間違いないです。

また、正直、前時代的と言いながらも、そういう社会が未だ蔓延してるのが今の日本だと思いますし、自分もどれだけ考えているのか、本当に理解しているのか、加担していないのかと言われると言葉に詰まるところもあります。

相談者さんは、「もっと厳しく接して欲しい」と言うことですから、それこそ主人公の松方さんみたいな職場との関係を求めていられるのかもしれませんし、
そうなると「気を遣われる」という事で余計傷ついたり疎外感を感じたりすることもあるかもしれません。

 

ちなみに『働きマン』は、本当に登場人物それぞれに哲学がある事が魅力の一つです。

「ぶつかっちゃダメです、かわすんです」の由美、
プライベートの時間を大事にする田中、

胸を張れない仕事と向き合う菅原、

飄々として見えて締めるところを締める管理職の方や、仕事をばっくれてしまう人、

一方向だけじゃない感情のドラマを描いているのが『働きマン』の魅力のうちの一つだと思います。

読むことで登場人物の誰かと自分の何かしらの部分とリンクさせて鼓舞してもらう事もできるでしょうし、違う価値観の登場人物達を見て彼らが見ている景色に思いを馳せるのもいいでしょう。

 

相談者さんは、皆にかわいがられていらっしゃると言うことですから、ひょっとしたら誰かからすれば羨ましい環境なのかもしれませんが、そういう人だけが抱える苦しみもありますよね。

 

ひょっとしたら職場の先輩方も、今までにあまり経験の無いコミュニケーションの取り方が分からず、まだ模索している最中かもしれません。

 

かくいう自分も、「なんでそんな色々と恵まれているのに…」という言葉はいわれる事が多いですが、本当に、とあるコラムで見かけた「人には人の地獄がある」という言葉に励まされたなぁ。

 

話が逸れましたかね、すみません。

 

とにかく、自分が自分しかいない以上、他人というのは自分と違う人間しか存在しないので、それぞれに嫌なポイントや嬉しいポイント、無意識にされている事やしている事が違う、ということだけは常に頭に入れておきたいですね。

職場の方々が今まで持っていた「普通」と、あなたが目指すこの先の「普通」が融和していく日を目指しましょう。

 

相談者さんのいらっしゃる環境も自分にとっては想像の及ばない世界ですが、

漫画というのは、本来であれば体験できない経験、見ることのできない景色、感じることのできなかった感情を味わわせてもらえる最強のツールですので、

 

もしよかったら改めて、あなたとおそらくちょうど正反対の環境で松方が奮闘する『働きマン』を読んでみてください。

 

仕事というのはどこまで行っても社会との接点を増やす事、人と関わる事なのだけは間違いないですから、職場のいろんな方との間、そしてあなたとあなた自身の間で、

良い関係を持てること、そしてそれが続くことをお祈りしております！

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