頭文字D』の系譜を継ぐ新公道最速伝説『MFゴースト』。その担当者であるにも関わらず、クルマのことをまったく知らない若手編集者ウワイ。そんな彼の力になるべく、クルマライター・アンドーが立ち上がった。クルマと、クルマを通じた“モテ道“を学ぼうとする男の成長物語、第18回!

※こちらの記事の情報は2021年ヤングマガジン4・5合併号発売時のものです



第18回 ウワイ、フレンチスポーツに酔いしれる! の巻


入社3年目の若手編集部員ウワイ。
これは、時代の波に乗れない彼がクルマを乗りこなすまでを描いた物語である―――


〜登場人物紹介〜

ウワイ
ヤンマガ編集部期待(?)の3年目編集で、『MFゴースト』の新担当。勉強はできるがクルマのことはさっぱりという“さとり世代”。 


・クルマライター アンドー
自動車メディア業界で暗躍するフリーの編集ライター。風貌も発言もうさんくさいが、クルマに関する知識やクルマ愛は本物。


【あらすじ】久しぶりのクルマ紹介!リモートワークの下、もんもんとした日常を送っていたウワイがアンドーに試乗を求めたのはアルピーヌ!『MFゴースト』でも有数の天才肌&プレイボーイな沢渡光輝のマシンにウワイが試乗したゾ。乗って走れば、気分はもうパリジャン!!外ではフランスの風が吹くぜ―!


ウワイ
師匠、いま『MFゴースト』にアルピーヌってクルマが出てるじゃないですか。ボクはあのドライバー、沢渡みたいな男になりたいんですよ。
アンドー
それって、ただ若いコとデートしたいだけだろうが。あんなことやこんなことしてくれる大人の女性のが、付き合ったら絶対楽しいぞ。
ウワイ
そ、そいうものなんですね……。そんなことも知らずに、在宅ワーク中、ピチピチギャルと妄想デートをしていました。
アンドー
ふん。そんなみずみずしいほどピュアなDTウワイくんのために、今日はその沢渡が駆るアルピーヌを借りてきたぞ。



今回の試乗車


アルピーヌ A110S 850万円
見ても乗っても魅了されるフレンチミッドシップ

復活したA110は、パワフルな最新スーパーカーに対して、バランスの良さで勝負する。

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余計な装飾があまりない、シンプルでピュアな雰囲気のインテリアもアルピーヌらしさ。



ウワイ
おお!なんと、いまあらゆるスポーツカー好きが注目していると言われるフレンチスポーツカーじゃないですか!
アンドー
なんだ、ちょっと詳しいじゃないか(笑)。そうだ、今日はここまでは横浜を流してきたが、道ゆく人々の視線がアツかったぞ。
ウワイ
こうしているいまも、なんだかクルマ好きっぽいおじさんたちから見られてますね。17歳に見られたいのに。
アンドー
(無視して)なにせ、こいつは新生・アルピーヌブランドの立ち上げモデルだけに、現時点ではフェラーリやポルシェより希少なクルマだからな。
ウワイ
たしかに、街を見たことないスポーツカーが走ってると気になります!
アンドー
プラスして、古いクルマが好きな連中も注目している。そもそもデザインモチーフになったのが、60~70年代に販売されていたアルピーヌA110だからね。
ウワイ
え、ボクが生まれる前じゃないですか!どうもカッコウが現代っぽくないと思いました。クラシックとモダンの融合で、まるで絵画のようです。
アンドー
ミニやビートルなど、クラシックカーのリバイバルモデルは、風変わりな雰囲気なところが逆にカッコ良かったりするのだ。4灯ヘッドライトに張り出したショルダーライン、リヤエンドの尻下がりフォルムなんかも、オリジナルモデルを踏襲しているぞ。

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オリジナルのアルピーヌA110最大の個性ともいえる4つのヘッドライト形状をモダンに再現。
「左右外側は微妙にスポーティな形ですね!」(ウワイ)


ウワイ
は、早く乗りましょう!
アンドー
よし。ただ今回の試乗車は、スタンダードな「A110」じゃなくて、「A110S」な。

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「重心が下にあるほどクルマの走りは安定する。そのため、A110『S』では、ルーフ(屋根)に軽量なカーボン素材を採用。頭が軽いのだ!」(アンドー)


ウワイ
え……いや、ボク、あんまり痛いのとかいやですよ。
アンドー
おいコラ、「SM」のSじゃない。「スポーツ」のSだ。
ウワイ
びっくりしました。責められるのかと思いましたよ。
アンドー
“セめる”という意味では合っているな。エンジンパワーが高められ、足まわりが引き締められている。キャラクターはビンビンに立っているぞ!
ウワイ
では早速、運転させていただきましょう。ふむふむ、あー、なるほどなー。
アンドー
……。
ウワイ
なんというか、気持ちよくコーナーを曲がれる気がします。
アンドー
わ、わかるのか!?
ウワイ
いや、このクルマを試乗した、カー・オブ・ザ・イヤー選考委員のセンパイがそう言ってました。
アンドー
ガクーッ!…とはいえ、ミッドシップであることくらい分かるんじゃないか?
ウワイ
お尻が浮く感じですか?
アンドー
いや、逆だな(笑)。ノーズが軽い感じだ。
ウワイ
パワフルというわりには扱いやすい気がします。


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「S」モデルでは、最大出力292馬力を発揮するターボエンジンを搭載。
「ミッドシップなのでここに収められています!」(ウワイ)

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ミニマムながらもエンジン後方に荷室が設けられている。
「可愛いサイズで何を入れるか迷っちゃいますね!」(ウワイ)



アンドー
このクルマは、とにかく素性がいい。1.8リッターエンジンでちょうどいいパワー、ちょうどいいボディサイズ、ちょうどいい重量……それに加えてミッドシップと、これならMFGでトップ争いできそうだろう。


F1譲りの技術!

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多くのスーパーカーメーカーでも採用されている「ディフューザー」と呼ばれる整流板を採用。
「高速域で効果を発揮!」(アンドー)

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ボルボなども採用するフローティングセンターコンソールと呼ばれる形状。
「穴空いとるやんけ!!」(ウワイ)



ウワイ
これが、イタリア車のフェラーリやドイツ車のポルシェとは異なる、フランス車の乗り味なんですかね?
アンドー
平たくいえばそういうことだ。ただ走りがいいだけじゃない、底抜けにオシャレで、どこか力が抜けててエロい雰囲気がある。あ、なんか沢渡っぽいな。
ウワイ
やっぱりボクも沢渡を目指します!
アンドー
警察のお世話になるようなことだけはするなよ!!



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