新人漫画家さんたちがヤンマガで羽ばたいていくまでをお伝えするヤンマガ新人ニュース。今回は、第90回ちばてつや賞で大賞を獲得した藤原ハル氏にインタビューしました!

『夜を泳ぐ魚たちは』
「本日のパパ活、よろしくお願いします」ーーパパ活女子・未果の前に現れたのは、高齢者のブンジ。柔らかい語り口の彼は、なぜかセックスは求めず、ただ未果の身体に触れることを望んだ。
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藤原ハル氏プロフィール
『犬を送る』が第89回ちばてつや賞優秀新人賞を受賞。さらに『夜を泳ぐ魚たちは』で第90回ちばてつや賞大賞を受賞。
長崎県出身。幕末と日本酒とヤクザ映画が好き。
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▲作者プロフィール画像

藤原ハル氏に10の質問!


Q1:大賞おめでとうございます! 受賞を知った時はどんな気持ちでしたか?
A:GW明け、まだ連絡は先だろうと油断して近所でごはんを食べている時に担当さんから教えてもらいました。次の日が健康診断だったので祝杯もあげられませんでした。もうちょっと心の準備がしたかったです。
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パパ活の約束をして出会う未果(右)とブンジ(左)。

Q2:第89回ちばてつや賞優秀新人賞受賞作『犬を送る』に続き、二度目の受賞となりましたが、一度目の受賞時とは感じ方は違いましたか?
A:第89回でも高く評価いただいて感謝しかなかったのですが、やっぱり大賞ってすごいなという気持ちです。賞金も倍だし。何かで1位になった経験がほとんどないので単純にうれしいです。

Q3:もう一度ちばてつや賞に挑戦しようと思った理由を教えてください。
A:実は第89回用に作った3本のネームの中に『夜を泳ぐ魚たちは』がありました。その時は担当さんが『犬を送る』を選んだので不要ネームになったんですが、せっかくだし描いてみようか、という感じです。

Q4:今作『夜を泳ぐ魚たちは』で「パパ活」をテーマの一つに置いたきっかけや理由があれば教えてください。
A:もともと夜の街や裏社会に興味があって、映画やドキュメンタリーをたくさん観ていました。身体を売る側、買う側、どちらも自分の想像にはないリアルな世界を描きたくて題材に選びました。
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▲彼氏と友人に裏切られ、泣き崩れる未果。

Q5:『夜を泳ぐ魚たちは』で特に力を入れたところ、工夫したところはどこですか?
A:実際に彼女たちが存在すると感じてもらいたくて、服装や持ち物など実物を参考にして描きました。背景もリアルを描こうと歌舞伎町へ資料写真を撮りに行きました。正直怖かったです。

Q6:再びちばてつや賞に挑戦しようとなった際の担当編集者とのやりとりで、印象に残っていることはありますか?
A:仕事が忙しい時期でネーム修正の時間が取れず「来週は送ります」詐欺を繰り返した結果、担当さんに「もう別の作品でもいいですよ」と言わせてしまったこと。本当にすみませんでした。
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▲何もかもに絶望し、生きる意味を失いかける未果。

Q7:近年では、SNS上の「バズ」も漫画の人気に大きく影響しています。『犬を送る』に続き、『夜を泳ぐ魚たちは』もX(旧Twitter)上でたくさん拡散されましたが、何かバズらせるコツや意識したことなどはありますか?
A:めちゃ狙ってます! バズるためにはまず作品を読んでもらわないといけないので、1ページ目は全力で読者の興味を引きにいってます。もちろん運も大きいと思いますが。

Q8:ヤングマガジンだけでなく、様々な雑誌やウェブ媒体で作品を発表されていますが、創作のインスピレーションはどのようなところから受けるのでしょうか?
A:小説、マンガ、映画、何でも鑑賞メモを取ってますね。刺さったセリフや良い演出などは自分で描いてみたりして。あと、担当さんからのお題をいい感じにひねるのが好きです。

Q9:新作の『泥の花』では1話目連載コンペにも参加されていました。次はいよいよ連載への挑戦かと思いますが、連載と読み切りとで異なる部分があれば教えてください。
A:連載! 何もかも未知すぎて震えてます。でも挑戦したいですね。映画ばかり観ていたので読み切りの脳になっているなと思い、最近は連続ドラマを観るようにしてます。
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▲『泥の花』より。主人公の前に突然現れたしず香。

Q10:これから新人賞への応募を考えている方へ、メッセージをお願いいたします!
A:最後までリングに立ってる方が勝ちです。下手でも何でも描き続けたら勝てます。たくさん描いてください。

藤原ハルさん、ありがとうございました!
ちばてつや賞・月間賞などヤンマガの新人賞はデビューへの近道!
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