新人漫画家たちがヤンマガで羽ばたいていくまでをお伝えするヤンマガ新人ニュース。
今回はヤンマガの月間賞出身で、2026年1月よりヤンマガWebで新連載『ノカゼのピンクなトリセツ』を開始予定の野良犬ロマン氏にインタビューしました!


野良犬ロマン氏は、月間賞2回受賞されてから、Xコンペに挑戦、2026年1月から新連載開始予定です。

ああロミオ どうしてあなたは××なの?(2025年月間賞2月期佳作)
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↑『ああロミオ どうしてあなたは××なの?』より


親友を守るためになんでもする女子大生(2025年第1回Xコンペ)
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↑『親友を守るためになんでもする女子大生』より


ノカゼのピンクなトリセツ』(2026年1月ヤンマガWeb連載開始予定)
昼は大学で学び、夜は風俗嬢として働く女子大生・ノカゼ。
そんな彼女は昼も夜も規格外の変態たちに遭遇し、着飾らない言葉のままに切り抜けていく
変態だらけの世の中で強く生きる彼女の日常の物語。
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↑『ノカゼのピンクなトリセツ』より


野良犬ロマン氏 プロフィール
京都在住。
好きな漫画は沢山ありすぎて書ききれないので、
ヤンマガ作品に限定すると、『ヤニねこ』が大好きです!
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野良犬ロマン氏の新人賞受賞から連載までの道のり


Q1:ヤンマガの月間賞に応募した経緯を教えてください。
最初はモーニングで新人賞に挑戦、担当さんの勧めで下ネタコメディに作風を方向転換、しかし品がなさすぎたのか担当さん以外には受け入れられず....その作品を出張編集部に持ち込み、ヤンマガ担当さんに拾っていただき、モーニングの担当さんの後押しもあって、ヤンマガの月間賞に挑戦→受賞という流れです。

Q2:新人賞の受賞に至るまで努力したことがあれば、当時の感情とともにお聞かせください。
元々は、美しく優しいお話を描くことに憧れて描いていました。でも現実は残酷で、私の作品は下ネタしかウケなかったんです。「下ネタを描け、お前には下ネタしかないんだ、下ネタがお前の居場所なんだ」  と残酷な運命を編集さんは私に言うのです。ひとり静かに枕を濡らし、やがて美しくあろうとした心も失い、泥水を啜りながら、来る日もくる日も汚い下ネタ漫画を描き続けた結果、新人賞受賞、そして連載となりました。
しかし思い返せば、美しい話を描こうとするとき、  道徳の授業で思ってもいない善良なことを「心のノート」に書いていた時と同じ、  なんともいえない居心地の悪さがあったような気がします。「描きたいもの」と「描けるもの」のギャップを受け入れたことは、作家としての転機だったのかもしれません。
私の薄汚れた精神と下品な資質を見抜き、  格好つけずに下ネタを描くよう優しく諭してくれたモーニングの担当編集さん、路頭に迷っていた泥まみれの野良犬を拾って親切に世話を焼いてくれた、モノ好きのヤンマガ担当編集さん、受け入れてくださったヤンマガ編集部さま、そして下ネタを求めてくれる全ての寛容な読者さまに、心から感謝しております。是非、靴など舐めさせていただきたく存じますので、  ご一報いただけると幸いです。


Q3:連載決定おめでとうございます! 最終的には、Xコンペとは異なる題材で新連載に挑まれるそうですが、なぜそのような形となったのでしょうか?
今回連載するお話は、Xコンペと同時期に連載会議に出していた企画となります。Xコンペのお話も、本当は続きを描きたかったのですが、私の実力不足で残念ながら叶いませんでした。いいねをくださった読者さま、大変申し訳ありません。物語を完結させないという無責任なことはしたくありませんので、かなりお待たせしてしまうことにはなると思いますが、いつか何らかの形で発表できたらと考えております。勝手ながらご理解いただけると幸いです。
連載作品の主人公である「現役女子大生風俗嬢ノカゼ」は、Xコンペの作品に後々出てくるキーパーソンでした。彼女は正論パンチじゃ救えない人を、正しくないから救えるハミダシ者です。多種多様な変態が登場するお話を新しく作ろうとしたとき、肝が据わった「風俗嬢ノカゼ」はその主人公に相応しい器の女性だと思い抜擢しました。
ひとまずは、「変態だらけの大学生活」を「現役女子大生風俗嬢ノカゼ」にスポットライトを当てて愛情をもって全力で描いていく所存です。読者さまの人生にひとときでも笑いを提供できるよう努めますので、何卒よろしくお願いいたします。特にMに傾いておられる方に、強気なノカゼというキャラクターはオススメです。もちろん作者もドMです。


Q4:連載開始前の今の時期、苦しいことや逆に楽しかったことはなんでしたか?
楽しさはキャラへの愛情が深まることです。苦しさは、キャラに食われて性格が変わり、プレッシャーで胃に穴が空くことです。暗い人間がハイテンションな作品を無理して描いているので、いつ壊れるのだろうかと毎日とても興奮しています。

Q5:編集者との打ち合わせで大切・意識していることはありますか?
私は多くの編集さんを、才能を求めるキャバ嬢だと思い込んで関わっています。  こちらが才能を提供できない、時間を食うだけでシャンパンを入れない素飲み客のままでは、商売にならないので見切られても仕方のないことだと、切なくても、そんな世界に夢見ちゃった私の負けだと、夢を見せてくれた愛しい嬢たちに感謝して、また振り向いてくれるように、身を削り作品を磨くしかないんだと思っています。
だから尚更、新人で才能実力貧乏な私のような細客でも、隣について微笑んでくれる素敵な嬢(編集さん)に出会えたときには感謝して、  ジリ貧の才能の財布を毎話空になるまで絞り出し、今はこんな情けないけど、もう少し隣で付き合ってほしいと、 いつかソウメ〇アタッシュもアルマ○ド信号機もおろせるような作家になるからと、 そんな気概と誠意だけは見せられるように努めています。
とはいえ私は人望も才能も髪も薄い人間なので、締め切りを守るとか、約束を守るとか、作品への誠意を最低限のことで示して信頼を獲得するしかないのですが..。講談社は比較的、ジリ貧才能客でも寛容に育ててくれる、母性溢れるスナックのママみたいな編集さんが多いように感じています。ありがたいです。話が逸れてしまいましたが、私はソ〇メイロゼが好きです。


Q6:これから新人賞への応募を考えている人に一言お願いいたします。
ハンバーガーとお寿司、どちらも美味しいけれど、マクドナ〇ドでお寿司が提供されるとハンバーガーを食べたかったお客さんの反応はイマイチになってしまうと思います。自分の作品がハンバーガーならマク〇ナルドへ、お寿司ならスシ〇ーへ持ち込めると良いのですが、それがなかなか難しいんですよね....。
私と同じように、自分の作品がどんな味なのか分からない方は、色んなレーベルの編集さんに食べてもらうと見えてくるものがあるかもしれません。せっかく心を込めて料理を作ったんですから、なるべく美味しく食べてもらえる相手まで届くことをお祈りしております。



ありがとうございました!


ちばてつや賞・月間賞はデビューへの近道!
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