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満島ひかりさんがビールをうまそうに飲むだけのYouTubeチャンネル」があったら,
絶対に毎日見るのになぁと常に思っている、でおなじみ、ムーディ勝山です。

二度目の緊急事態宣言に入り、不要不急の外出を避けるということで、
お家で過ごす時間が多くなっていますね。
自炊に凝ってみたり、AmazonプライムやNetflixで映画やドラマ片っ端から見たり、
もう家ですることのパターンが尽きた頃じゃないでしょうか?

そんな中で、我々一発屋が世間から「ステイホームの達人」ということで、いま注目を集めています。
まあ、噛み砕いていうと「仕事がなくて休みが多いだけ」ともいいます。

皆さん、家での過ごし方はまだまだありますよ?
僕がよくやるのが「家にある漫画を片っ端から読み返す」です。
楽しいし、お金も使わないし、良いことしかありません。
僕の家にある『あしたのジョー』も、読み返し過ぎて、ジョーが何十回真っ白になったか分かりません。
他には大好きな『1日外出録ハンチョウ』も読み返し過ぎて、
最近は喋るときに「くくくくく‥杞憂‥!」「家で作ったカレー‥! さあ‥半と出るか丁と出るか‥馬鹿がっ‥! 美味いに決まっとるだろ‥! こんなもの‥!」と、
口調が大槻化してきています。

他にも「LINEの『ともだちかも?』に出てくる女性のアイコンを見てニヤニヤする」や、
「良かった時の給料明細を見ながら安焼酎をストレートで飲む」とか
「とにかくずっとLINEツムツムをする」
「一日が終わるまで寝転んで天井を瞬きもせず見続ける」という過ごし方があります。

それがお気に召さない、という方にはやはり、「漫画」がオススメです。
家で過ごす最強ツール、漫画
新しいのも良いですが、過去の名作を読み返すのもいいですよね。


そんなわけで、今回紹介するのはヤングマガジンの名作、

『赤灯えれじい』です。

地味でヘタレでフリーターの柳川サトシ19歳と、年上で金髪でケンカっ早いヤンキー娘・チーコ
不器用な二人が時間をかけながら愛を育み、成長していく、大阪純愛ラブコメディ

ギャグも面白く、二人が初めて結ばれる時なんかは自分の初エッチの時ぐらい緊張しました。
ヤンマガ読者の皆さんにも、この作品が好きな人は多いんじゃないでしょうか?

僕の偏見なんですが、ヤンマガの読者って「童貞をこじらせた20代~40代の男性」のみだと思うんです(※そんな事はない)
彼女が全くできずに、NSCお笑い養成所で見つけた当時の相方には「やったことあるで」と嘘を付いて、
ようやく22歳で童貞を卒業した、かつての僕も童貞をこじらせた一人でした‥‥。

この作品はそんな人達に刺さりまくるんです!!
逆に言えば、学生時代にモテモテだった人にはこの漫画の良さは、もしかしたら完全には伝わらないかもしれません。
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↑童貞らしく、シミュレーションをして初体験に備えるサトシ


この漫画は、登場人物に特殊な能力があったり、難解な殺人事件が起こったり、タイムスリップしたり、などの、特別「何かが起こる」という事はありません。
簡単に言うと「交通整備のガードマンのバイトで出逢った二人が不器用ながらも恋愛をしていく」というだけの漫画です。
でも、なぜかそれがめちゃくちゃ面白い
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↑ガードマンのバイトをする二人


舞台が東大阪という、大阪でもディープな場所。
僕の同期であるモンスターエンジンの西森の出身地としても有名です。
登場人物や関西弁や風景などが凄くリアルに描かれている「大阪の空気感」が最高なんです。
ここまで大阪の空気感をリアルに出せている漫画は、名作『じゃりン子チエ』以来じゃないでしょうか。

そして二人が付き合って、サトシが初めての一人暮らしをして、初めてエッチをして‥
大人の階段をゆっくり登っていく様は、
40歳になったいま読み返すと、自分のその時を思い出しとても懐かしい気持ちにれます。

付き合った当初に二人が行った「原付でいけるところまで行く五日間の旅」は、全力で青春をしていて、最高な話でした。
原付で大阪を出発して、ラブホテルやサウナに泊まったり、海を見付けたら水着を買って泳いで、富士山を見付けたら勢いで登ってしまう‥。
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↑原付で旅をするサトシとチーコ
 
↑若さゆえの勢いで、富士山を登っていく二人

若いときは誰しもこんな「勢いで行動してしまう」ことがあって、そしてそれが"めちゃくちゃ楽しかった"筈です。

そのあとに同棲を始める二人。
サトシもチーコも料理ができないから、二人の夕食には、コンビニで買ったおでんと惣菜と白ご飯を床に置いて食べるという姿が並び‥‥。

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↑床に直接プラスチックの容器を置きながらの食事


リアル過ぎるやろ!!と言いたくなる、インスタ映えとは程遠い食事シーンも最高でしたね。
僕もお笑いを始めて、一人暮らしをはじめたばかりの頃はそんな飯ばっかり食べてましたから。

愛媛から出てきた、同期の伊藤くんという友達と、スーパー玉出という大阪の激安スーパーで、
金が無いから一玉20円ぐらいのうどんを3つだけ買って、床に置いたガスコンロの鍋にぶちこむんです。
そして、伊藤くんと「売れたいなぁ」って言いながらズルズル食べていました。

僕はトリオを組んだり、コンビを組んだりしながら、劇場でもそこそこウケるようになってきましたが、
伊藤くんは相方も見付からず、かといってピンで舞台に出ることもできず、悶々した時間を過ごしていました。
何年か経って、伊藤くんはお笑いをやめる事を決め、実家の愛媛に帰りました。

しばらく連絡を取っていないですが、漫画が大好きだった伊藤くんが驚くと思うので、
「いまヤンマガで赤灯えれじいのレビューを書いてるねんで」とLINEを送ってみたいと思います。

全15巻で完結している本作、最終巻は盛り上がりがピークに達して、
まるで『SLAM DUNK』「山王戦の桜木と流川」ぐらいの名シーンがあります!

この名作のページを、久し振りにめくってみてはいかがでしょうか?

‥え? 久し振りに読んだら面白くないかもしれないって?
‥くくくくく‥杞憂‥‥‥!! 面白いに決まっとるだろ‥! こんなもの‥!!!






つづく。


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